コロナも少しずつ落ち着いてきて、ストーマ閉鎖手術の日程が決まった。
手術の前日に入院。
入院期間は10日から2週間くらいと言われた。
手術が怖い。
ストーマはそのままでいいから、手術はしたくない。
今回も、個室を強く希望した。
パニックになるので、消灯することができない。
神経が過敏で、知らない人と同じ部屋は耐えられそうもなかった。
荷物を運んでくれた夫を見送った後、部屋に案内された。
個室だった。
本当によかった。
まだ午前中。
特にすることもなく、窓からボーッと外を眺めていた。
見慣れた、久しぶりの景色。
前回は角部屋だったので、今回の方が窓は少ない。
しかし、同じ方向の景色が見えたので、安心した。
看護師が来て、体温や血圧を測り、手術前後の予定を確認してくれた。
午後からも、青空を見ながら、のんびり過ごした。
慌ただしい生活から切り離された空間。
麻酔科医が来た。
手術に使用する薬の説明。
『また、よろしくお願いします』
前回と同じ、優しい若い女性の先生。
しばらくして、婦人科の木田先生が来た。
『いよいよですね。
コロナで手術も遅れて、大変でしたよね』
今日から入院すると、知ってくれていた。
婦人科とは関係のない手術なので、もう来てくれないだろうと思っていた。
だから安心した。
『本当は、手術を受けるのが怖いです。
でも、頑張ります』
夕方になって、主治医の田部先生と研修医の山中先生が来た。
はじめましての研修医と挨拶を交わした。
田部先生は、相変わらず穏やかだった。
『大丈夫ですよ。
今夜はゆっくりしてくださいね』
夜になり、ストーマをしみじみと眺めた。
色んなことがあったな、と。
前日に夫と、最後のストーマケアをした。
シャワーで綺麗に洗い流して、パウチを付けた。
ストーマ生活の間は、一度も湯船に浸かることができなかった。
『退院したら温泉にも行けるね』
ストーマでも、勇気を出せば温泉にも行けたと思うが、私には無理だった。
ストーマ生活の思い出を噛みしめた。
さよなら、ストーマちゃん。
手術は朝一。
時々起きる動悸で、眠れなかった。
深夜になり、遠くから聞こえてくる機械音が気になった。
もうすぐ手術。
怖くてたまらなくなった。