梅雨が明けてすぐの頃。

この日は、残業もなく、冷たいものが飲みたくなったので、珍しくスタバに寄り道した。

ストーマになって初めてのカフェ。


抹茶のフラペチーノを注文した。

喉が渇いていたので、すぐに飲み終えた。

そして、トイレでストーマパウチを空にして、バスに乗った。


バスから電車に乗り換える時、ストーマパウチが少し重たく感じた。

しかし、パウチはさっき空にしたばかりなので、大丈夫だろうと思い、そのまま電車に乗った。


気のせいではなかった。

パウチがどんどん膨らんで重くなる。


やばい。

どうしよう。

心臓がバクバクし始めた。

息が苦しい。


いつもだと、会社を出る時にパウチを空にするので、自宅に着く頃には、まだパウチの半分も溜まっていない。


電車は混み合っている。

服の中のパウチを覗くわけにはいかない。

触った感じは、パンパンで、満タンに近付いているように思える。


自宅の最寄り駅まで、ちょうど半分くらい。

あと30分弱。

パウチから漏れたり、面板が外れたりしたら、私の周りは水溶便で大惨事になる。


心臓のバクバクが止まらない。

手が震え、パニックになりそうだった。


途中で電車を降りた。

初めての駅。

トイレの場所もわからない。

急いで探したいが、パウチを抱えているので走れない。

エスカレーターがない。


破裂してしまうのではないか。

怖い。


とりあえず改札に向かったら、近くに多機能トイレがあった。

やっとパウチの中身を出せる。


トイレの中に入り、パウチの中身に驚いた。

帰宅前に飲んだ、抹茶フラペチーノがそのままパウチに溜まっていた。

パウチは満タンで、丸めた排出口も途中まで外れ、今にも破裂しそうだった。

最後のマジックテープを剥がしたら、汚物洗浄台へ勢いよく排出された。

色も匂いも、抹茶だった。


久々のカフェも、飲んだドリンクも無駄だった。

体に少しも吸収されず、全部出た。


ストーマになって、スーパー以外、夫の付き添いなしで行くのは、初めてだった。

今にも破裂しそうなパウチが夢に出てきそうだ。

勇気なんて出すものではなかったと後悔した。