退院前日の日中は、訪問客が多く慌ただしかったが、夕方はいつもの静けさだった。


夜になり、産婦人科の木田先生が来た。

疲れている時以外は、だいたいいつも優しい。


先生『退院したら、大変だと思いますが、無理しないようにしてください。

困ったことがあったら、いつでも病院に電話して大丈夫ですよ』

私『お忙しいのに、毎日来ていただいて、ありがとうございました。

助かりました』

先生『不便な生活を強いてしまって、すみません』

私『謝らないでください。

仕方がなかったと思っていますので』

先生『明日の朝、また来ますね』

責任を感じさせて、申し訳ないと思っていた。


最後に来たのは、外科の田部先生。

先生『いよいよ退院ですね』

私『心配です。

ストーマのことも、食事のことも。

どうやって生活していけば良いのか。

自信がありません』

先生『早めにストーマを閉鎖しましょうね。

外来もありますし、心配なことがあったら、いつでも電話してきてください』


聞いて良いか迷ったが、勇気を出した。

私『私みたいな合併症は、よくあることなんですか?』

先生『全くないわけではありませんが、そんなにあることではありません。

婦人科が、どのような手術をしたのか、私にはわかりませんが。

今回のことは、アンラッキーだった、ということだと思います。

でも命を救うことができて良かったです』

私『本当に、ありがとうございました』


田部先生の手術によって、命を救われた。

感謝してもしきれない。


たまたま私の担当になったばかりに、たくさんの人達に、迷惑をかけてしまった。


シャワーとパッキングを済ませ、横になった。

相変わらず、眠ることはできなかったので、入院生活を振り返った。

良い患者でいれただろうか。