病院のレンタル病衣が嫌だった。
すぐに、はだける。
素材はゴワゴワ。
不快だった。
傷口やストーマを、先生や看護師に見せやすいので、術後しばらくは我慢した。
しかし、少しでも快適に過ごしたいと思い、自分のパジャマを着ることにした。
夫に頼み、運んでもらった。
夫が買い足した、新しいパジャマも届いた。
入院生活の、数少ないうれしい出来事だ。
シャワーを浴び、入院中初めて自分のパジャマを着た時、喜びと悲しみが襲ってきた。
柔らかい肌触り、柔軟剤の良い香り。
家に帰りたい。
でも、ストーマ生活が不安で、退院して生きていく自信がない。
その日の夜中、お腹あたりが冷たいと感じた。
触ると、濡れていた。
見てみると、パジャマが汚れていた。
ストーマパウチから便が漏れていたのだ。
冷たい。
気持ち悪い。
お腹のシワで面板に隙間ができて、溢れていた。
液状の便なので、思ったよりも広がっていた。
お臍の中にも便が溜まっていた。
悲しい。
パジャマ、下着、お腹にかけているタオルも、汚れていた。
これを夫に洗ってもらうのか、と思うと申し訳ない気持ちだった。
しばらく落ち込んで、自分でできることは済ませて、ナースコールを押した。
『布団が汚れてしまいました。
申し訳ありません』
夜中、看護師の人数が少ない時に、また手を煩わせることになった。
装具交換は、まだ1人でできない。
看護師が、ほとんど会話をすることもなく、急いでパウチを張り替えてくれた。
苛立ちは、だだ漏れだった。
悪気はない。
私が袋を貼り付けたわけではない。
そんなに怒らないで。
心の声は届くはずもない。
辛い。
絶望。
心が追いつかない。