上野恩賜公園内にある国立西洋美術館にて開催中の『スペインのイメージ 版画を通じて写し伝わるすがた』展へ。例によって、会期終了間近の駆け込み。
異国人から見た典型的な日本のイメージが、富士山、相撲、寿司、芸者……だとすれば、スペインのイメージは闘牛、フラメンコ、ドンキホーテ、アルハンブラ宮殿、ガウディ……。そうしたイメージの形成は19世紀より、かつてその地を旅した外国人、とりわけ画家達の製作した版画(エッチング)の流通が媒体となっていました。
という訳で、スペイン人画家の筆頭は「画家の中の画家」といわれるベラスケスになるのでしょうか、今回ベラスケスもガウディも出てこないけれど、西洋美術館所蔵のゴヤのエッチングをはじめ、スペイン人画家であるピカソやミロ、長崎県美術館からは撮影NGのサルバドール・ダリ描くドンキホーテシリーズ、その作者サルバンテスの本と挿絵、果てはスペイン風なコスチュームを着たマネやモリゾの絵まで展示されていました。余談的に、モリゾの血縁であるらしい、ジャン=オノレ・フラゴナールの《丘を下る羊の群》は常設展にて観られました。
聖書の次に発行部数が多いといわれるドンキホーテ、私は読んだ事がないから粗筋も知らないのですが、結局サンバンテス本人自身は牢獄で書き始めたドンキホーテの著作権を手放したり海賊版が横行して貧窮のまま終えたとの事。それもひとつの栄光ある⁉️素晴らしい人生でしょうけれど。
生活の為には作家も商才が必要で、競争原理と物語性とパクりを熟知していたピカソは生前リッチに暮らし、女性にもモテモテでしたね。どちらかというと私は、どんなに有名で人気があっても、そうしたあざとさの読めるアーティストはあまり好まないのです(何方かは言及致しませんが)。私自身は製作に情熱ないので専ら、鑑賞側の立場から作品そのものを素晴らしく感じられたら。
というより才能以前に、きっと日頃の思想自体が問題だと思うのだけれど。私は人を出し抜いたり蹴落としたりは決して出来ない性格ながら、思考がプアでネガティブに落ち込まないよう、常々リッチな発想でポジティブに愉しく過ごすよう心掛けなくてはw。清く正しく美しく、何より楽しく暮らしたいものです。
メインビシュアルのラモン・カザス《「アニス・デル・モノ」のポスター》は、華やかでスペインらしさが。ギュスターヴ・クールベの《もの思うジプシー女》は、どこか面影が自分に似ている気がしたり。推し少なめなのか、閑散としていて鑑賞しやすかったです。
同時開催『美術館の悪ものたち』も観ましたが、怖いので写真は割愛しまして、常設展では
新収蔵作品として:
《松の木々》ギュスターヴ・ドレ
《インフェルノ(地獄)》アウグスト・ストリンドベリ
《「モデルによる習作」または「彫刻」》ウジェーヌ・カリエール
初展示作品として:
《花の冠》アリスティード・マイヨール
《散歩》ポール・セザンヌ
《小さな丸帽子を被って座る女性》パブロ・ピカソ
の展示も。時間の都合上、
《ホロフェルネスの首を持つユディト》ルカス・クラーナハ(父)
《アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)》ピエール=オーギュスト・ルノワール
《小川のほとり》ウィリアム・アドルフ・ブーグロー
《愛の杯》ダンテ・ガブリエル・ロセッティ
など、どこかエキゾチックな美女達のコレクションや、ジョン・エヴァリット・ミレイ、モネの睡蓮を遠くから、カミーユ・クローデルの彫刻写真を置いてゆきます。
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国立西洋美術館
フォトスポット
《ドンキホーテ》シリーズ
オノレ・ドーミエ描く、ドンキホーテ
《もの思うジプシー女》ギュスターヴ・クールベ
《水飲み壺》ホアキン・ソローリャ
⏬常設展より~
✨初展示作品:
《小さな丸帽子を被って座る女性》パブロ・ピカソ
《散歩》ポール・セザンヌ
《花の冠》アリスティード・マイヨール
✨新収蔵作品:
《「モデルによる習作」または「彫刻」》ウジェーヌ・カリエール
《松の木々》ギュスターヴ・ドレ
《インフェルノ(地獄)》アウグスト・ストリンドベリ
どこかエキゾチックな美女達のコレクション