6月2日の誕生花と花言葉は、苧環[おだまき]〈赤〉(素直)、アリアム(蝦夷葱[えぞねぎ])(柔軟性)、ササユリ(清浄・上品)、マツヨイグサ(ほのかな恋)等々があります。今回は、タイムを取り上げます。花言葉は、「勇気」です。

シソ科イブキジャコウソウ属 の植物です。原産はヨーロッパ、北アフリカ、アジアで多く世界に350種の仲間があります。芳香を持つ多年生植物で、ハーブの一種として知られています。日本ではタチジャコウソウ(コモンタイム)の事を一般にタイムと呼んでいます。学名はThymus vulgarisでタイムはギリシャ語の「勇気(Thymon)」に由来しています。
防腐剤、保存剤としての強力な効き目は古代エジプト時代から知られ、ミイラを作成する際の死体保存用防腐剤として使われていたようです。ギリシャでは、入浴や神殿で焚く香として使っていたようです。ローマ人が部屋を清めるために使用した事でヨーロッパに拡がっていったようです。古代ギリシャではタイムは勇気をもたらすとされ女性は騎士や戦士にタイムの葉を添えた贈り物をしたようです。また、中世には枕の下に敷かれ、悪夢を防ぎ安眠を助けるために使 われていました。来世への旅路を確実なものとするために葬儀の際に棺にも入れられた。
料理での利用として、日常のヨーロッパ料理でも、肉や魚介類の臭みを消し、保存力を増すための重要なハーブです。フランス料理ではブーケガルニやエルブ・ド・プロヴァンスに欠かせない食材の1つです。ケイジャン料理やカリブ料理にも広く用いられ。中東(マシュリク)の香味料「ザアタル」の主要な成分になっています。
タイムの精油成分はモチール、カルバクロール、その他で、水蒸気蒸留によって得た精油をチアミン油といって、香水の原料にする他、十二指腸虫駆除薬、鎮咳薬にされています。シャンプーの香りは消毒力の強い成分「チモール」のためで、口内清涼剤、歯磨き、石鹸、トニック、男性用ロ ーションなどによく利用されています。飲用すると、風邪や腰痛を和らげたり、解剖標本や植物標本の保存用、紙の虫食い防止用として使われています。また、ハーバル・バスにするとリウマチや神経痛、あるいはそれらが原因のむくみの症状などを軽くすることが知られています。