こんにちは。渡邉利咲です。
もう何十年も前の話ですが、学生時代、音楽の授業の時、いつも数名のいたずら好きの男の子が授業前にカーテンや棚のなかに隠れて、先生が子供たちを見つけて席に座らせる、というのが日課でした。
それで授業は5分くらい押すのですが、先生は子供が好きみたいで毎回、子供たちの遊びに楽しそうに付き合っていました。
ある時、一人の男の子が授業中に注意されて、「僕なんかいなくなればいいんでしょ。死ねばいいんでしょ。」と言い返したんですね。
その時、先生が平手打ちして「そんなこと言っちゃいけない」と言いました。
先生は目は赤くなり、今にもこぼれそうな涙を必死にこらえていたのがわかりました。
男の子は一瞬、呆然としていたのですが、その後、教室を飛び出してどこかへ行ってしまいました。
そして先生も男の子を追いかけて教室を飛び出して、私たちはどうしていいかわからず黙って座っていました。
その次の音楽の時間、先生はいつもの通り教室に入ってきて、数名の生徒がいない空席を見て、また隠れているのだと思い、いつも通りに子供たちとのかくれんぼに付き合っていました。
「○○君、見つけた。はい、席に戻りなさい」
「○○君、カーテンの陰から足が見えてますよ。はい、席に戻ってね」
子供たちを一人一人席に戻していくにつれて席はどんどん埋まりましたが、あと一つ、空席がありました。
それは先日、平手打ちをされた子の席でした。
先生は、カーテンやピアノの下などを探していましたが、どこを見てもいない。
そして、先生が諦めかけてうつむいていた時、男の子が机の下から出てきました。
男の子はうつむき加減に出てきて、もじもじしながら先生を見上げていました。
先生は本当に嬉しそうにその生徒に駆け寄り抱きしめて、「見つけた!」「見つけた!」と何度も言いました。
また先生の目が赤くなっていて潤んで、「見つけた!」という言葉が2人が仲直りしたようにも見えました。
男の子も安心したのか、いつものいたずら好きの顔に戻っておどけながら席に戻っていきました。
そして先生は教壇に戻り、自分は生徒たちのことが本当に好きなこと、いつも想っていることを話しだしました。
私は先生の話を聞いていた時、ぶわーっと先生の過去が見えてきて、生徒に平手打ちをしたことが初めてだったこと、叩いたことを後悔していたこと、「男の子はプライベートで何か悩みを抱えていて自分が力になれなかったのではないか」「彼を傷つけたのではないか」「もっと彼をわかってあげればよかったのに、なぜあんなことをしたのだろう」という後悔など、たくさん、たくさん考えて、夜に布団のなかで泣いていたことなどが走馬灯のように視えました。
人生で、やったことに対しての後悔は誰にでもあると思います。
コミュニケーションのすれ違いが起こると、そこからどんどんずれていったりもする。
あの時、先生はどうしたら良かったのかは私にもわかりませんが、この一連の出来事は先生と生徒たちの絆を強めたことは確かです。
ちょっとのすれ違いを「もういいや」と放置するのか、すれ違いを修正していくのか、先生はすれ違いを修正しようとしましたし、男の子も彼なりに仲直りの方法を考えたのだと思います。
すれ違いを修正して絆が深まることはよくあることですし、背後に愛があれば気持ちは伝わるんだなぁと思った出来事です。
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今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。
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