こんにちは、タロット占い師・守田のり子です。


今日は久しぶりに、
タロット占いの実例をご紹介します。

この鑑定とその結果は、
私が今まで経験した中でも、
最も印象に残っているものです。

もちろん、ご本人の了解の上、
掲載させて頂きます。



【 ご相談 】

37歳男性・Fさん。
バツイチで再婚し、子供が一人。
約半年前に転職に失敗し、現在失業中。

いくら仕事を探しても、一向に見つかりません。
色々仕事の紹介はしてもらえるのですが、
何故か、なかなか決まらないのです。

これから、どうしたらいいのでしょうか?



【 鑑定結果 】

①潜在意識の中にある仕事への思い
→モダンメディバルタロットの
「ペンタクル4・リバース」

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お金の迷路に迷い込んだまま、
なかなか出てこようとしていませんね。


この時、私は、このカードに対して、
非常に強い違和感を覚えました。

というのも、Fさん自身の事を占ってみると、
とてもまじめな性格で、
“仕事をしたくない”とか、
“怠けたい”とか、
そんな欲望は、全く感じられないのです。

どんな仕事でもやってみよう
という意欲もあります。
一緒にビジネスを始めないか、
というお誘いもあるそうです。

でも、潜在意識は、
「お金を稼ぎたくない」と言っている。

潜在意識の方に
現実は引き寄せられますから、
これでは、仕事が見つかるはずがありません。



②じゃあ、なぜお金を稼ぎたくないと
思っているのか?
→禅タロットに切り替えてリーディング。
「稲妻」=崩壊を示すカード。




Fさんの潜在意識のなかに
「お金を稼ぐと、自分が壊れる=死」
という脚本が、書かれています。

(注:このカードが死を意味するのではありません。
Fさんの場合は、こうなっている、という事です)


んんん?
なんで???


不思議なので、Fさんに訊いてみました。

すると、
「昔から、死にたいという気持ちが
ずっとあるんです。
うつ状態になって、通院していたこともあります。」
とおっしゃいました。

そして、
「実は、仕事のことを考えると、
死にたくなるんです。」とも。


んんん?
何か変。
何かが違います。



③そこで、「死にたい」という衝動について、
その意味を問いました。
「冒険」=ペンタクル・ペイジ

OSHO禅タロット・冒険




Fさんは、
潜在意識の一部が子供のままです。
大人になる事を拒んでいます。
つまり、親とのコンセントが繋がったまま。
親に対して、何らかの執着が残っています。

そして、次に、驚くべきことが分かりました。



④父親に対する本心
「反逆者」=皇帝

OSHO禅タロット・反逆者



⑤母親に対する本心
→「過去への執着」=カップ5
  

OSHO禅タロット・過去への執着



Fさんの
「死にたい」という衝動は、
実はもっと深いところにある“思い”を
誤魔化すためのものでした。


Fさんの潜在意識の底にあった“思い”とは、
「死にたい」ではなく、
「父を殺したい」だったのです。


その事をお伝えすると、
Fさんは凍りつきました。
そして、深く納得されたのです。

Fさんの口から出た言葉。
それは、
「もう忘れていましたが、
子供の頃、ずっと父を殺したいと思っていました。」


それから、Fさんは、
幼少期の話を聞かせてくれました。

Fさんのお父さんは、
月収が100万円近くある方だったそうです。

でも、その父親が、ちっとも家にお金を入れないため、
お母さんとお姉さん、そしてFさんは、
非常にお金に苦労されました。
とても貧乏な子供時代だったそうです。

その上、父親は暴力をふるい、
Fさんのお姉さんに大怪我をさせて、
お姉さんは、体の一部が不自由になられたとか。

Fさんが大人になってからも、
父親がつくった借金を返すために、母子で必死に働き、
両親が離婚した後は、
Fさんが、お母さんとお姉さんの生活を、
支えて来られました。

途中、お母さんも、心身の調子を
崩されたそうです。


つまり、Fさんの中には
「お金を稼ぐ父=殺したい存在」
という図式があり、
「自分も、お金を稼ぐと父と同じになってしまう。」
という無意識の思い込みから、

「お金を稼ぐと、自分は死んでしまう」
という形に変換され、、
潜在意識の中に刻み込まれてしまったようです。

そりゃ、迷路に迷い込む訳です。

「自分を生かすためには、
お金を稼いではいけない」
ということになってしまいますから。


つまり、お金を稼ぐためには、
潜在意識の中のこの“思い込み”を
壊さないといけない、という事になります。




⑥では、お金の問題を解決するために、
お父さんに対して、
これからどう対処すればいいのか?
「怠惰」=カップ9

OSHO禅タロット・怠惰




Fさんの中で、
父親の事は、もうすでに解決済みの問題となっています。

お父さんに対して、
本当はやらなければならない事があるのに、
自分にはそのエネルギーがない、
と自分に思い込ませて、
何も出来ないようにしているのです。


実際、Fさんは関西、
お父さんは九州で生活しているため、
もう10年以上会っていないそうです。



私は、Fさんに、
「お父さんと対決し、その呪縛から逃れること」
が必要なのだとお伝えしました。

そして、その方法を提示し、
問題解決のための“宿題”をお出ししました。




⑦その宿題が出来た後、どうなるか?
「無」(余計な思考停止)=法王

zen006No-Thingness.jpg




この問題をクリアして初めて、
リラックスできる日常生活がFさんに訪れます。
そうなって、ようやく、何にも縛られずに
仕事に向かう事が出来るのです。


「父と対決する」
口で言うのは簡単です。
でも、実際はそんなに簡単な事ではありません。


こういうアドバイスをしても、
「はい、そうですね。分かりました。」
と言ったきり、何も行動を起こさない方も
いらっしゃいます。

でも、どうするかは個人の自由。
ここから先は、私が口を出す事ではありません。

「今のままの状態で良い」という方は、
“何もしなくていい”のですから。


特に、『死の衝動』と向き合うというのは、
最も難しい課題です。
無理じいは出来ません。
目を逸らしたままでも、生きていくことは可能ですし。


しかし、鑑定から数日後、
Fさんからメールが届きました。

「宿題をやってみました。
来週、父に会いに九州まで行って来ます。
とても恐いです」
と。


こりゃ、一回じゃ書ききれません。

【結果検証】は明日、書きますね。



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