改革(1) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

前例がないからやる
それが改革。

・・・・・・

1969年1月。
薬局チェーン
『マツモトキヨシ』の創業者
松本清(敬称略)が
千葉県松戸市
第9代市長に就任。

彼は任期4年の間に
政治生命のすべてを賭け
理想の市政を徹底追求する
腹積もりでした。

―なぜ、そんな短期間に
 頑張るの?

理由は2つ。

1つ目は、健康上の問題。
清は、肺や胃をはじめ
その他もろもろ
調子が悪かった。

2つ目は、再選を狙うと
評価が気になり
思い切った改革が
できなくなる。

―改革に思い至った
 いきさつは?

前の市長が
スキャンダルを起こし
市民の市役所に対する
不信感が強かったから。

この不信感を払拭すべく
役人の意識改革を
最初に思いつきました。

―役人の意識って?

休まず・遅れず・働かず
という三無主義。

―マツキヨさんは商人だから
 やりにくかったでしょう。

ええ。
就任当初、秘書の藤沢に
「俺は敵陣の中央に落下傘で
飛び降りたような気持ちだ」と
漏らしたことがあります。

―孤独だったのね。

はい。
アウエーですから。

それでも、終始一貫
官僚からもっとも
遠いところにいる
庶民的な市長として
改革を進めてゆきます。

つづく

出典:『マツモトキヨシ伝 すぐやる課をつくった男』(樹林ゆう子、小学館、p84、pp.94-95)