政治資金(6) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

「政治は民のためにある」が
信条の清は
公費が出ないときは
自分のポケットマネーから
必要なお金を出しました。

また、お金を出すだけでなく
自ら行動も起こします。

当時、松戸市立病院のような
公的機関に対し
開業医をとりまとめる
医師会は対立関係にありました。

看護師の数が
不足している中では
スタッフも取り合いになり
営業的にもライバルだからです。

しかし、市立病院のベッドの増床も
医師会の許可がなくてはできません。

そこで、市立病院の大規模化と
近代化に尽力していた清は
医師会に乗り込んでいき
市立病院のベッド数を
200床増やすという許可を
土下座までして勝ち取ったのです。

さらに医師会からの
要求である看護学校の設立も
すぐさま実行。
宿舎をつけ、奨学金制度まで
つくりました。

ともかく現場を歩き回り
問題点をとらえては
改革を思いつく。

それほどまでに心を砕くのは
やっぱり市民のため。

「俺は寝ても醒めても
市民のことしか
考えていないんだ」と
清は言います。

それほど政治に
打ち込んでいながら
市役所からの給料は
一貫して受け取らない。

清が辞退した給料はすべて
市民のための公園や
福利厚生施設の建設に
回されました。

1期目で公約の多くを
実現した清に
2期目を期待する声が
高まります。

功績・知名度・実力・人気・・・。
何1つとっても彼に
対抗できる候補者はいない。

結果、無投票当選が決まりました。

無給はともかく
政治資金をクリーンにし
現場に足を運び
民のために働いてほしい
それが今、政治家に
望むところです。

おわり

出典:『マツモトキヨシ伝 すぐやる課をつくった男』(樹林ゆう子、小学館、p19、p106、p213、p238、223)