小さな加賀屋(3) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

加賀屋の社訓は
「笑顔で気働き」。

そのための人づくりとして
「一人一芸」を合言葉に
いろいろなクラブ活動を
設けています。

―楽しそう。

ええ。
お茶やお花・習字
テーブルコーディネート
宴会場で披露する
「七尾まだら」のクラブもあり
こちらは姉妹店「あえの風」で
毎晩披露されています。

―でも、平成19年3月
 能登半島であった
 地震のとき加賀屋は
 大丈夫でしたか?

そのとき、加賀屋は
初めて1ヶ月間の
休業を余儀なくされました。
しかし、会社は休業中も
給与を保証し、その間
自分磨きを勧めます。

先の「一人一芸」は
ここから派生しました。

―給与が出ると安心ですね。

はい。

12室で始まった加賀屋は
3つの高層棟がそびえる
232室の大規模旅館に
発展しました。

しかし、小田さんは
語ります。

「大きくなっても
小さな加賀屋。
働く人同士が思いやる
家族のような加賀屋で
あり続けたいと思います」

おわり

出典:『女将さんのこころ その1』(瀬戸川礼子、旅行新聞新社、pp.138-139)

・・・・・

私も加賀屋に
泊まったとき
温かなおもてなしを
実感しました。

大きくなっても
初心忘れず。

コツコツとした
積み重ねが大輪の花を
咲かせてくれるのかも
しれません。