雑木林 | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

古来、松の緑に美意識を
見出してきた日本人。

また、杉や檜(ひのき)と
いった用材の針葉樹も
お金になるという理由で
重宝されました。

そんな中、徳富蘆花は
『自然と人生』の中で
楢(なら)や櫟(くぬぎ)を
称賛します。

―なぜ?

開国からすでに
40数年経ち
西洋風の見方や感じ方が
浸透していたから。

西洋の搾取が
機械文明搾取
であったのは
否定できませんが
美意識の革命も
あったのです。

―意外・・・。

お金にならない木でも
林の中を歩いていると
リラックスしませんか。

―はい。

雑木である落葉樹は
春から冬まで
さまざまな変化を
見せてくれる
まさに美の饗宴を
奏でる場です。

出典:『森へ行く日』(高田宏、マインドカルチャーセンター、pp.114-121)