夏の花 | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

小さな花の世界を
やさしくうたう
工藤さんの詩です。

・・・・・

〇おはよう (つゆくささやか)

「おはよう」の いろを
あおぞらから もらって
はなびらを そめました

おひさまの ひかりは
きんいろの めしべに
ちらりと まぶしました

わたしは
そらと ひかりの こどもです


〇うた  (ひまわりあけみ)

まんまるく くちをあけて
まなつのうたを うたいました
きいていた みつばちが
「アンコール!」と さけびました

わたしは おじぎして
もっと まんまるく
くちをあけて うたいました

みつばちのこと
すきだとおもいました

『工藤直子詩集』(工藤直子、角川春樹事務所)