大好きだから(4) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

ーなぜ、Kちゃんは
 お喋りしてくれるように
 なったのかな?

それは、お互い好き同士
になったからだと思う。

話というのは、
技術以前に、
相手が私の思いを
聞きたがっているとか、
自分の思いを聞いてほしいと
思わないと、
うまくいかないのでは。

―かっこ先生がKちゃんを
 かわいくてしかたなくなり、
 Kちゃんもかっこちゃんを
 好きになって
 じーっと見つめたり、
 真似したり。
 このプロセスがあった
 からこそなんですね。

ええ。
たとえば、ハイハイでも、
お母さんやお父さんが、
手を広げ
「さあ、おいで」と
待ってくれたから、
赤ちゃんは
ハイハイしたいと思う。

また、よちよち歩くと、
おじいちゃんや
おばあちゃんが、
「ああ、歩いた歩いた」
と喜んでくれる。
だから、歩く勇気が出る。

もちろん、それだけで
ハイハイや歩行が
できるわけではないけれど、
大好きの気持ちが
モチベーションに
なっているのは
確かかもしれません。

おわり

出典:『手をつなげば、あたたかい。』(山元加津子、サンマーク出版、pp.110-112)