空からのメッセージ(1) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

よく人から
「健常者にも苦労があり、
大変なのは同じだよ」
といった慰めを
受けることがある。

それには同感だ。
障害があるからといって、
なんでも自分が
一番大変だと
思い込むのは
危険だと思う。

ただ、障害者ゆえ
健常者には
計り知れない困難が
あるのも、事実。

特に社会人になり、
チームで仕事を
するようになると、
「みんな兄弟」式の
きれいごとでは
収まらなくなる。

できる・できないことを
お互いはっきり
認め合った上で
自分にできる最大限の仕事を
決めていく。

厳しいやりとりの中で
私は神経を消耗し、
やはり社会に居場所を
見つけるなんて
無理かもしれないと、
半ばあきらめかけていた。

そんなある日、
たまたま遊びに行った
長野県の野尻湖畔で、
突然、今まで
経験したことのない
大きなる気持ちに包まれてー

つづく

出典:『目を閉じて心開いて』(三宮麻由子、岩波書店、pp.26-27)