前回の記事

 

 

父の書棚ギッシリ、法律関係の本で埋め尽くされていました。

 

「これはいずれ、お前が使うようになるのだから、

大切にとっておく」

と父は私に言っていたし、

実際、書籍類は長いこと大切に保管されていましたが。

 

父は私の人生を自分が決めようとします。

私は高校と大学の受験経験者ですが、

どちらも受験校は父が決めました。大学の学部も学科も。

そして将来の職業も。

 

父が私に就かせようとした職業は、

弁護士に始まり医師、会計士と「士業」ばかりです。

尊敬もされるし、高収入だし、独立開業も可能。、

女性も活躍できるすばらしい職業です。

 

しかし、それが私に向いているか、あっているか、

そして私が好きでやりたいことなのかといった視点は

欠落していました。

父の一方的な、勝手な思い込みにすぎない。

 

何よりどの「士業」にしても、私の学力では無理でした。

それは父も勉強を指導していて分かってきたようではあります。

最後は「教師になれ」と言っていました。

 

でも私は郵便局員になりたかった。

 

私は手紙を書くのが好きでした。

いとこや友だち、そして当時あったペンパル(文通友だち)にあてて

私はまめに手紙を書き、切手を買いに行ったので、

郵便局はとても馴染みがある場所でもあり、

そのカウンターの内側で働くのもいいな、と思っていました。

 

一度、大学受験はしない、公務員試験を受ける

と勇気をだして父に言ったのですが。

・・・予想通り、フルボッコにされました。

 

ここで私が根性出して我を通すと

また母が殴られるし、妹にも影響行くだろうし・・・。

 

結局、父が決めた受験スケジュールに従い、大学へ。

父が望んだ大学はすべて落ちたので、

滑り止めの滑り止めだった某大学の法学部へ行きます。

これは父にとっても私にとっても不幸な選択でした。