皆様、こんにちわ
なかなか更新できないサクヤにいつもコメ・ペタをいただきありがとうございます。
返事もコメ・ペタ返しも出来てませんが・・・
読んでますよ~(^O^)/ こんなサクヤを忘れていないのがすごく嬉しいですよ~o(^▽^)o
それで、忙しい間に1つ作品を書き上げましたので、こちらの「忍冬」を先に載せていきたいと思います。
ハチャメチャな出来事はまた次に乗せますね
「忍冬・すいかずら~過去からの来訪者」
はじめ
これは、私(大学2年の秋穂)の視点から見た事件の報告書みたいなものだ。決して忘れてはならない事件を記憶が鮮明なうちに書き残そうと思ったからだ。
私と弟の二人にそなわった特殊な力によって起こった悲劇的な事件だ。過去からの因縁ともいえる。
まずは私の家族構成を書かないと話しが理解できないと思うので、紹介しておこう。
両親・兄・私・弟の5人家族で、東京都中野区で暮らしている。両親は大恋愛の末、駆け落ちして結ばれたと漠然と聞いたことがある。一時は北海道で暮らしていたが祖父母が亡くなる少し前に東京へ戻ってきたらしい。ただ、今でも新関付き合いがない。詳しい事は子供心に聞いてはいけないような気がして今まで誰も口に出して聞いたことがない。
私たち兄弟の力は他人には気味悪がられるので秘密にしている。親戚付き合いがないのはそれも原因しているのだろう。
父は普段は温厚で滅多に声を荒げるこつはない。その父に幼い頃、力を使ったことで一度だけ怒鳴られたことがある。
私には過去と現在を時間移動出来る力がある。いわゆるタイムテレポーテーションのことだ。
私がまだ3つの頃だったと思う。初めて力を使い、両親の目の前でスッと消え、記憶は薄いが昭和30年頃と思われる時代に移動したことがある。迷子か捨て子と思われ、優しい姉妹のいる家で過ごした記憶がある。
現代から突然消え、1ヶ月も戻らず、近所の人や警察は、誘拐か事故かと大騒ぎになったのに、私本人は消えた時と同じく忽然と現代の家の玄関前に現れ、ケロッとした顔で立っていた。私を見つけた父は、
「二度とそんなことをしてはいけない」
と、泣きながら怒鳴った。折れるかと思うほどに強く抱き締められたその体が震えていた。弟が力を使った時もそうだったらしい。
その弟の栄一は今高校3年生。栄一には念じただけで物が動かせる力がある。
兄弟二人にそれぞれ違った力があることを知った両親は、その力が制御できるようにするのと世間の目を避けるために父の親友が経営している北海道の厚生施設のような所に私たちを預けた。
父の親友の施設長は有名な気功の達人らしいが、おやじギャグ炸裂の普段は気のいいおじさんだ。その施設長はことあるごとに私たちに言いい聞かせていた。
「気功の使い方とお前たち2人の力の使い方と同じはずだ」
と、言い、私たちに本当の父親のように接し、時には厳しく指導をしてくれた。そのおかげで私と弟は力が制御出来るようになり、弟が小学校を卒業するまでその施設で育った。今でも、休みにはそこに里帰りしている。
そして私と弟にとって身近では一番頼りになる大学で心理学の助教授をしている28歳の兄、晃一。いつでも公平で冷静な判断をしてくれる。
最後の家族紹介は母だ。母はいつまでも夢見る少女(本人がそう主張している)少女というより手のかかる大きな子供。様々なやっかい事を呼び寄せる特殊な力を持っている!?すこぶる元気で明るい。
私と弟の栄一は力のせいで他人を傷つけた事もある。心に多少の痛みを背負っているが、二人とも元来根が明るいので暗く落ち込んだりはしない。それは母譲りなのかもしれない。
簡単に家族構成を紹介したので本題に入る。この事件で母親というものの本当の強さを知った気がする。この事件が起こる前まで母のことを単純に元気で明るいとしか思っていなかったからだ。
<接触 Ⅰ>
お正月が終わり、普段の生活が戻った1月中旬のこと、夕食が済み。リビングでニュース番組を見ていた時、突然母が大きな声を出した。
「あらっ! この人池田さんだわ! ほらっ! お父さん、今映っている人、栄一が生まれてこの家を建てる前に1年ほど住んでいたアパートでお隣だった池田さんの奥様よ! ほらほら! 街頭インタビューのアナウンサーの後ろに移っている人よ」
と、言いながらテレビの画面に顔を近づけているから私たちには母の頭しか見えない。父はチラッと新聞から顔を上げただけで答えた。
「銀座で買い物でもしていたのだろう」
と、興味なさそうだった。母は父の答えなんて耳に入っていない。すでに自分の世界へ入っている。
「懐かしいわ~、 連絡して久しぶりにお茶でもしようかしら。不思議と彼女とは他人とは思えないほどに気が合ってたのよね~、 本当の姉のように親しくて。確か何年か前にもばったりお会いしたときに携帯番号を聞いていたはずだわ。番号変わってなければいいのだけど・・・」
お茶をする場所とか何を話そうかとか想像しているに違いない。本当に子供のように考えが顔で出るので分かりやすくて可愛い人である。
その夜はたいしたニュースもないのでそれぞれの部屋へ戻り眠りについた。
その2日後、学校からの帰り玄関のドアを開け、
「ただいま~」
と、言ったが、母からの元気のいい返事がない。買い物にでも出かけたのかな? と思い、リビングにドアを開けた。母がボォ~とテーブルに肘をついて何か考え事をしている。
「お母さん居たの? 返事がないからいないのかと思った」
私が話しかけても返事がない。母の顔の前に手を左右に振ってみた。
「お母さ~ん、どうしたの? 目開けたまま寝ているの?」
顔を覗き込んだらやっと我に返った母が返事をした。
「あらっ! 今日は学校休みなの?」
すっとぼけた返事が返ってきた。母のおとぼけは慣れているので気にしないが、テーブルの上の煎餅に手をつけていないが心配だ。
「お母さん、どっか具合が悪いの? 風邪? お腹でも痛いの?」
「どうして? どこも悪くないわよ」
「だって、お煎餅も食べず、テレビも点けないでぼぉ~としているからさ。具合でも悪いのかと思った」
母は私を睨みながら言った。
「失礼な娘ね。お母さんだって毎日煎餅を食べてテレビを見ているわけじゃないわよ」
と、怒って反論していたが、すぐに顔を曇らせて話しを変えた。
「ちょっとね、考え事をしていたのよ。今日、ほら、何日か前にテレビに映っていた池田さん銀座でお茶を飲んだのだけどね、テレビに映っていたこともその日銀座にいたことをも忘れて! と懇願されちゃったのよ。理由を聞いても知られると命に関わる事だから! と怖いことを言い残していきなり帰っちゃったのよねぇ~。秋穂、どうしてだと思う?」
「そんなこと私が知るわけがないじゃない」
そう冷たく答えたが、「命に関わる」は引っかかる。母が余計なことに首を突っ込んで危ないことにならなきゃいいけど・・・念を押すつもりで言った。
「お母さん、もう連絡取らないでほっといた方がいいよ。相手だって迷惑かもしれないじゃない」
母が素直に聞き入れるとは思えない。一応、兄と栄一にも気にかけるように伝えておこうと帰りを待った。
つづく
本日はここまで
また明日ね