おはようございます
天気はいいけど・・・ さ、寒い
洗濯物を干すためにベランダに出た。
コートを着てマスクして花粉対策のデカイ眼鏡をかけて干した。
近所から下着泥棒と通報されるかも知れない
でも、寒いのも嫌! 花粉も嫌! 仕方ないのよ。
どうか、下着泥棒の方々、サクヤを同業者と思わないようにお願いします。
では、行きましょうかね。まだまだ続く「夢物語」よろしくです![]()
「夢物語」
近所の小学生の場合
たまに通りかかる小さな稲荷神社。そこのキツネに給食の残りのパンを置いていく近所の小学生の男の子。
「僕、今日もイジメられちゃったんだ。キツネ君、どうやったらみんなが一緒に遊んでくれるのかな? 僕、何も悪いことしてないよね? それとも知らないうちに神様を怒らせたのかな? わざとじゃないけど、牛乳をこぼしてよくお母さんに怒られるからやっぱり僕、何かしたのかもね」
キツネを前に何度か涙を見せる男の子。しかし、子供の願いは他愛ないことが多い。キツネも知らぬ振りをして見守るだけだった。だが、この日はその男の子の手や腕、足にも青あざが見受けられた。
男の子が始めてキツネに向かって真剣に手を合わせる。キツネもその祈りに真剣に耳を傾けた。そして、力強く答える。
「承知」
男の子の耳に微かだがキツネの声が聞こえた。
「キツネ君、今、喋った? 」
キツネは男の子の問いには答えず、ただ見つめていた。心の澄んだ子供に時たまキツネの声や物の怪の類を見たりする。大人に言っても信じてもらえず聞き流されてしまう。
男の子がキツネに祈ってから1週間後、クラスに転校生が入ってきた。
その転校生は男の子の家の3軒先に越してきた子だった。男の子の家に母親と一緒に挨拶に来たその転校生とはすぐに仲良くなった。
転校生はスポーツが得意だった。特に野球。その転校生が男の子を近所の野球チームに一緒に入ろうと誘ってきた。
「ねぇ、健ちゃん、一緒に野球しようよ」
今日も学校の帰りに健と呼ばれたあの男の子をしきりに誘う。人気者の転校生と仲良くなってから目立ったイジメはなくなった。
「でも、僕、運動苦手なの孝ちゃんも知っているじゃない。僕には無理だよ」
と苦笑いで答える男の子。
「大丈夫だよ。僕が教えてあげる。一生懸命に練習すれば健ちゃんもきっと野球が上手くなるよ。そしたら、あいつらにもイジメられなくなるよ」
転校生は男の子がイジメられていることをちゃんと知っていたのだ。それでも仲良くしてくれていた事に男の子は思わず涙を流して言った。
「僕がイジメられているのを知っていたんだね。それでも僕と遊んでくれていたんだね。ありがとう。孝ちゃんが教えてくれるのなら、僕、野球やってみるよ」
その日、キツネの前には2つのパンが置かれていた。
そして、男の子と転校生が加わって野球の帰りに毎日、神社に立ち寄り、キツネに今日の出来事を報告しに来るようになった。その二人にはキツネが口元を片方だけ上げて笑っているように見えるのだった。二人がいなくなるといつもキツネが言う。
「我にはあの若さが羨ましい。しかし、我はもう年を取り過ぎた。気楽が1番」
それからの男の子は野球に明け暮れ、転校生と二人、チームの主力メンバーとなっていった。気弱な男の子はどこにもいなくなり、イジメにあっていたこともすっかり忘れ、日に焼けた野球少年へと成長していった。
月日は流れ、男の子が泣きながらキツネに祈ってから6年が過ぎた。
声変わりも終わり、男の子と呼ぶには無理があったが、キツネから見ればまだまだ「男の子」だ。身長も伸びて体も逞しくなったのに6年前と同じような気弱な顔でキツネに言った。
「キツネ君、孝ちゃんがまた転校するんだって。僕、孝ちゃんの代わりにキャプテンになったんだ。僕、ちゃんとやっていけるかな? 大丈夫だよね? だから、お願い。これからも見守っていてよね」
それから更に3年後、久しぶりにあの男の子がキツネの前に現れた。
「キツネ君、僕、春からプロに入ることが決まったよ。あの孝ちゃんも一緒だよ。残念なことに同じチームではないけどね。また一緒に野球が出来るだけで嬉しいんだ。まだまだ見ていてよね。また、報告に来るからさ。今度は孝ちゃんも一緒にさ」
キツネが笑って言った。
「我は気楽なキツネ。いつでも来るが良いぞ」
大人になった男の子にはキツネの声はもう聞こえない。
では、お出かけの準備をしま~す。行ってきま~す![]()
![]()