皆様、こんにちわ
台風が近づき、各地で雷雨となってます
サクヤは沖縄生まれなので、台風になると異常にテンションが上がります
でも、皆様は決して暴風の中、傘を片手に飛ぶなんてことはしないで下さい。怪我の元です。
そして、まさか、冠水した道路にゴムボートを浮かべて急流下りなんて無謀なこともしないようにして下さい。
警察が駆けつけて厳重注意を受けます。ヘタするとそのまま連行されてしまいます。危険です。
ええ
そんなデンジャラスなことはとうの昔にサクヤが実践済みです。警察に連行はされませんでしたが、
メチャクチャ怒られました
。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。よい子の皆さん、気をつけましょう
では、早速、サクヤの妄想小説の続きをお楽しみ下さいませ
<忍冬すいかずら~過去からの訪問者> Ⅴ
兄がひとつ深呼吸をして、確かめるようにもう一度、念を押して話しを続けた。
「お前たちの父親は親父一人だけだ。だから、その刑務所に入っている人は他人と思っていい。俺はあえてあいつと呼ぶことにするが、いいな」
私は首を縦に振っただけでまた何も言葉にはしなかった。
「あいつはかなりの額の借金があった。にっちもさっちもいかなくなって祖父母に金を出せと詰め寄った。最初は
祖父母も強気で断っていたが、あいつはそれを逆恨みして、お袋に手をあげるようになった。しまいには、まだ幼
いお前が泣くとお前にまで手をあげるようになった。家の中で遊んでいると”うるさい!” と言って蹴ったり、拳で
殴ったりしたようだ。祖父母も子供にまで手をあげるあいつに金を出すからお袋と別れてくれ! と懇願したらし
い。しかし、あいつは、現金だけでは取り合わなかった。家と土地、商売の権利も渡せ! と詰め寄った。そうしな
ければ、もっと酷い目に合わすと言って祖父母を脅したんだ。そして、話しは逸れるが、お袋の力のことだが、栄
一と同じ力のようだ。お前の力は過去を忘れたいが、心のどこかで忘れられない記憶として残り力となったのかも
知れない。お袋は力のことを祖父母にも黙っていたらしい。幼いお前に手をあげるあいつに対して殺意が芽生え
た抑えていた力を使った。あいつは警察の取り調べで”俺じゃない!” と訴えたらしいが、到底信じてはもらえな
かった。お袋があいつを止めるために怒りで力を解放したために強大な力だったようだ。お袋はあいつを壁に叩き
つけ、家の屋根が竜巻に飲み込まれたように空高く巻き上げられ、お袋は宙に浮き、その周りを家具や床板がぐ
るぐると回りながらあいつ目掛けて飛んできた。と、事件の記録に記載されていたが、当然信じてもらえないため
罪を逃れるための嘘か精神に異常があるようだと思われたらしい。お袋が放った力の中、あいつは何とか外へと
逃れ、祖父母を人質に取った。そして、あいつはお袋の目の前で祖父母を包丁で滅多刺しにして殺した。お袋は
それを見て半狂乱になり、家屋敷に火を放った。でも、そんなことを警察は信じない。全部、あいつの犯行とされ、
無期懲役の裁判結果が出た。それが、18年前の事件だよ。ただ、それだけじゃ腑に落ちないことがいくつかある
からまだ詳しく調べている最中だ」
兄は真相を話し終えると一気に疲れたように肩を落とし、グッタリとしていた。
私はあの少女のような母にそんな力があったことと実の父親の凶悪さに耳を塞ぎたかったのを必死に我慢し、瞬きするのさえ忘れて目を見開きながら兄の話しを聞いていた。知らぬ間にまた涙がとめどなく頬に流れていた。兄はそんな私を見て、辛そうに顔で言った。
「だから、お前には知られたくなかったから力を使うな! と言ったんだが、知ってしまったのなら仕方ない。心
配するな。俺も親父もお袋とお前たちを守る。お袋が記憶を失くしても親父のところに戻ってきたときに固く自分自
身に誓ったんだ。あいつが出所してくることもお前は知っているんだろう? 親父から聞いて俺も知ったが、手を
打つために俺も色々手をつくしているところだ。でも、なるべくお袋には知られたくない。お袋をこれ以上傷つけたく
ないし、思い出してしまったらお袋は耐えられないかも知れない。またあいつのせいで家族が崩壊するのは何とし
ても避けなければいけない。お前にも傷ついて欲しくないからこれ以上首を突っ込むんじゃない。もしも、お前の
力が必要な時は俺から指示を出す。それまでは普段通りに生活していろ。今度は勝手なことをしたら皆が危険な
目にあうかも知れないからな」
兄の言葉はきつかったが、いつものように唇を片方上げながら笑い、私の頭を両手でくしゃくしゃと撫でた。
「今日はあまり深く考えるな。今までと何も変わらないんだから」
私がドアを開けて、部屋を出る時に兄が思い出したように言った。
「そうだ。ひとつ不思議なことを教えてやろうか。お前が始めて力を使って過去で世話をしてくれた家族は分かっ
たお袋と池田の叔母と祖父母の家だったんだぜ。お前が現代に戻ってから何年かして池田の叔母から聞かされ
たんだ。まさか、何十年も前に保護したことのある幼いお前と未来で会うとは思わなかったと驚いていたよ」
その不思議な話しを聞いても、そんなことくらいで驚きはしなかった。私は今日一日でどれだけ驚かされただろう。今日は眠れるわけがない。こんな話しを聞いても平気で眠れるのはきっと栄一くらいだ。
翌日は、土曜日。母は絵のカルチャースクールへ出かけていた。昨日の夜は興奮して眠れず明け方近く眠りについた。起きたのはお昼少し前だった。階段を降りリビングに入ったら、父がソファーで新聞を読んでいた。私の顔を見て言った。
「おはよう。今日は遅いな。出かける予定はないのか?」
私は父の顔をまともに見ないように下を向いたまま頷いた。父はそんな私の様子を見て、ため息をつきながら言った。
「朝、晃一から話しは聞いたよ。お前は知ってしまったんだな。いつかは分かることだと覚悟はしていたが、こん
な形で知ってしまったのは私にとっては不本意だった。晃一にもキツく言われただろうからわたしからはあまり言
わないようにするが、秋穂、お願いだから軽はずみなことはしないでくれ。わたしはお前に何かあったらと思うと外
に出すのも怖いくらいだ。お前も栄一もわたしの大事な子供だ。分かるな?」
「分かってる。これからは気をつけます。お父さん、ひとつ聞いてもいい?」
「なんだ?」
「私と栄一の力はお母さんから受け継いだものでしょ? お母さんはもう力は使えないの? それとも使わない
ようにしているの?」
「多分、あの事件で記憶を失くしたときに力も封じ込めたようだな」
私は少し逡巡したが、おもいきって聞いて見ることにした。
「もう一つ聞いてもいい? あの人が刑務所から出てきたら何故また私たちに関わろうするの? お母さんの記
憶がないのは知らないだろうし、ましてやお母さんの力を知っているのなら二度と関わりたくないはずでしょ?」
「そうなんだが、気になることがあってな。裁判のとき、あいつは俺に向かって叫んだ言葉がある。”必ずここか
ら出て俺たち家族の積年の恨みを晴らすからな” と、そう、確かに言ったんだ。あの当時いた芸者たちはあいつ
を怖がって誰も本当のことを話してくれなかった。だからどういうことなのか未だに分からない。だが、祖父は当
時、借金のカタに無理矢理そこの娘を芸者として働かせ、商売敵には結構汚いやり方で店を潰させのし上ってい
たらしいから、多分、その商売敵の中にあいつの家族もいたのかもしれない」
父の話しが終わったとき、タイミングよく、ドアが開き栄一が欠伸をしながらリビングへ入ってきた。
「おはよう。姉ちゃん夕べ兄貴と喧嘩していただろう? うるさくてしばらく眠れなかったんだぜ。あんまりうるさい
ようなら、怒鳴り込むつもりだったけど少ししたら静かになったから我慢したけどさ。まだ寝足りないや」
どうしよう? 栄一に聞かれてしまったのだろうか?
「話し聞こえたの?」
「何を話ししているのか分からなかったけど、姉ちゃんがわめいているのは分かった。また、兄貴につっかかっ
ていたんだろう?」
「そうなのよ~、ごめんね。やっぱり、うるさかったんだ」
私は慌てて明るく取り繕った。
「あんまり、兄貴に逆らわないほうが利口だぜ。どうせ姉ちゃんじゃ兄貴には適わないんだからさ」
いつもなた頭にきて、栄一に怒鳴っているところだが、話しを聞かれていなかった安堵感で怒るのも忘れてい
た。そんな私に栄一は疑いの目でみつめていたが、素知らぬ顔で話しを逸らした。
「栄一、朝ご飯食べる? 私も食べるから卵とベーコンでいい?」
「うん。それでいいや」
父も不安そうに私と栄一のやり取りを聞いていたが、栄一が何も知らないと分かってホッとした顔で新聞に目を移した。
つづく