<天使と過ごした7日間 変身 Ⅳ>
おしゃれなメンズショップに入り店員とあれこれ勝手な批評をしながら光隆を着せ替え人形にして服を選んでいった。光隆は試着した服に合わせて気取ってみせたり、反対におどけたりして店員と私を笑わせてくれた。映画の「プリティーウーマン」の男性版よろしく笑いながら次々と店をはしごし、どんどん荷物が増えていく。
最初に着ていた服を袋に入れ、買った服に着替えた光隆はどこから見てもモデルか俳優にしか見えない。表参道の街が良く似合う。何度かモデル事務所のスカウトマンに声を掛けられた。その度に光隆は真面目な顔でこう言った。
「すいません。僕は彼女の守護天使なので彼女から離れることが出来ないんです。どうしてもとおっしゃるのなら、僕の雇い主の天に召します神に許可をいただいて下さい」
スカウトマンは言葉も出せずに一歩、二歩と後退し、去って行った。私も笑いをこらえながら神妙な顔で十字を切って見せた。そして、スカウトマンが見えなくなった後で、二人でハイタッチをしながら笑い転げた。
楽しいと時間の過ぎるのがなんて早いのだろう。辺りはもう暗くなりはじめていた。
いつの間にか私と光隆は手を繋いで歩いていた。光隆に見とれて通りすぎる女の子たちや他の恋人たちや家族連れで賑やかな声や車の音、店から漏れてくる音楽も耳に入らなくなっていた。こんなに楽しい時間を過ごすのは初めてだ。そしてこんなに他人を愛しいと思ったこともなかった。それも出会ってたった半日しかたっていない年下の男なのに・・・(-"-;A このまま時間が止まればいい!と本気で思った。
パスタの店で食事を済ませ、帰りの電車の中で疲れて光隆の肩に寄りかかり一時眠りについた。夢の中では、雲の上のような白一色の広い広場にいる私と光隆。
大きな一本の木にもたれた私が光隆に膝枕をしている。聖母のように優しく微笑んでいる私。左手で光隆の髪を撫で、右手は光隆の手を握っている。時々柔らかな風が通りすぎる。静かで幸せな空間・・・・≧(´▽`)≦
それなのに徐々に幸せな空間が歪み始めた。な、何、何で?体が揺れる。幸せが消えていく。待って!お願い!もう少し待って!
「瞳、起きて。着きますよ。降りますよ。起きて!!」
えっ!!( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚
夢?今のは夢だったの?寝ぼけた顔で電車を降り、マンションまでの道を光隆に寄り添って帰った。私が男に寄り添って歩くなんて前代未聞だわ。でも、とてもいいムード。(〃∇〃)
・・・つづく