センバツ21世紀枠の廃止論に異議あり。① | Mr.ROYALの徒然日記 PartⅡ

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ブログタイトルそのまま、「徒然なるままに」書きたいことを書いていこうと思っております。

 第89回選抜高校野球大会は大会8日目が終わり、ベスト8に6校が勝ち上がりました。

 

 

 残り2つの椅子は昨日延長15回再試合となった福岡大大濠vs滋賀学園、福井工大福井vs高崎健康福祉大付属高崎(健大高崎)の再試合が明日行われ、それぞれの勝者が手にすることとなります。、

 

 

 今大会の優勝候補として挙げられている履正社、大阪桐蔭の大阪勢2校が順当にベスト8に勝ち上がった一方で、昨年センバツ初優勝を果たし、春2連覇を狙っていた智弁学園、昨年の夏の大会の優勝校で夏春連覇を狙っていた作新学院、そして甲子園に来るたびにフィーバーが起こる(というよりマスコミがスターに仕立てている)清宮幸太郎を擁する早稲田実業は今日までに敗退し。甲子園から姿を消しました。なお、私の母校でもある静岡は今日の第3試合で大阪桐蔭と対戦し、壮絶な打撃戦の末一時はリードしながらも無念の逆転負け。しかし、秋季東海大会覇者としての意地と実力は十分に見せてくれたと思います。

 

 

 さて、前置きはこのぐらいにして、そろそろ本題に入ります。

 

 

 まずは「21世紀枠」とは何かについて触れなければなりません。そこで21世紀枠が設けられたいきさつが触れられているこちらの文章を引用いたします。

 

 

 21世紀になって初めての春選抜大会となった2001年(平成13年)第73回。新たな世紀・21世紀になり、高校野球の選抜でも新たな改革が始まった。21世紀枠である。部員不足などの困難の克服したチームや、文武両道で他校の模範となるチーム、あと一歩で甲子園ながらチャンスを逃し続けているチームなどを別枠で選抜甲子園に出場させ、多くの野球部員に夢と希望を与えようというもの。

 


 こうして21世紀枠は「秋季大会の成績にとらわれない『清新の気風あふれたチーム』の選考」という意義をもって新たに導入された。

 

  
 手順としては、まず各都道府県連盟の推薦により1校が決定。次に各地区推薦1校が選ばれる。そして地区推薦校の中から選抜出場校が選ばれる。最終選考会での候補校のプレゼンテーションは各都府県連盟理事の持ち回りによるものらしく、同じ地区の他都府県の学校を紹介することにもなる。



 21世紀枠で選ばれるためには秋季都道府県大会ベスト8以上、また参加128校以上の都道府県はベスト16以上の成績を残していることが条件となる(2010年の候補校条件緩和により条件に「原則」が付記された)この条件を満たした学校が以下の基準を元に推薦される。

 


1.他校の模範になる
2.困難条件の克服
3.予選で良い成績を残しているがなかなか甲子園に出場できない

 


それでも候補校を決定できない場合は「甲子園出場経験がないか、もしくは出場から30年以上遠ざかっている」学校が選ばれることになる(候補校条件緩和により「出場からより遠ざかっている学校」へ)。
 

 

 そんな理由で21世紀になってから「21世紀枠」が制定されたのですが、

 

 

 …今年の大会で「21世紀枠はいらない」という声が非常に大きくなっています。

 

 

 一番の理由は21世紀枠で選出された多治見が初戦で報徳学園相手に0-21とラグビー並みの大差で負けてしまったこと。さらに今年のセンバツで21世紀枠で出場した中村、不来方と揃いも揃って1回戦で負けてしまったことで余計にその声が大きくなっているように思うのです。

 

 

 ちなみに21世紀枠で出場した学校の最高成績は2001年の宜野座、2009年の利府のベスト4。特に2001年の宜野座は春はベスト4で準優勝だった仙台育英の前に力負けしたものの、その年の夏に初戦でその仙台育英と対戦し、春のリベンジを果たすという痛快なことをやってのけています。(しかし、この試合ですべての力を使い果たしたのか、次の2回戦であっさり敗退しました。)

 

 


 確かに2001年から今年まで21世紀枠で出場したのは全部で45校あり、うち初戦を突破したのが13校。そのうち2013年の遠軽と去年の釜石は21世紀枠校同士の対戦だったため、純粋に初戦を突破したのはわずか11校。確かに一般出場校と比較すると実力的に劣っている学校が多い、ということについては私は否定はしません。(実際、今年のセンバツで初戦の対戦相手が不来方に決まった瞬間、普通にやれば楽勝の相手、でも部員10人のチームという話題性がある分、当日の試合は下手すりゃ完全アウェーで戦わなければならないからやりにくい、と思ったのもまた事実です。)

 

 

 とはいえ、ここぞとばかりに「21世紀枠」廃止を訴える連中の頭の中はおそらく「弱いくせにズルして出場している。」という認識が根っこにあるんだと思うのです。

 

 

 しかし、最初に断っておきます。今年21世紀枠で出場した学校はそれぞれ秋季大会でそれなりの好成績を残してきています。

 

 

 まず中村は秋季大会で名門、明徳義塾を破って高知県大会で優勝して四国大会に出場。

 

 

 部員10人の不来方は優勝した盛岡大付に負けたものの、岩手県大会準優勝で東北大会に出場。

 

 

 そして多治見は岐阜県大会優勝して東海大会に出場。

 

 

 少なくとも今年出場した3校については秋季大会で好成績を残し、21世紀枠の選考基準は十分に満たしています。ついでに言ってしまえば去年出場した小豆島もまた部員17人で話題になりましたが、実はセンバツ準優勝の高松商を県大会決勝で破り、県大会優勝しているんです。

 

 

 そして、センバツ出場校は秋季大会の成績をもとに選出されている。

 

 

 21世紀枠の学校を出場させるなら、もっと強い学校を出せ、と簡単に言いますが、

 

 

 じゃあ、いつ、どの段階での実力を評価しろと?

 

 

 そもそも高野連の規定で12月から3月初頭まで対外試合は禁止されているんですよ。総合的なチーム力の判断なんてどこでできるんですか。結局のところ秋季大会時点での大会成績を参考にする以外にないんですよ。秋季大会が終わったらセンバツ直前まで対外試合自体ができないんですから。、

 

 

 そして21世紀枠ばかりを槍玉に挙げていますが、今年のセンバツでは北海道を制した札幌第一が健大高崎に、中国地区優勝校の宇部鴻城が大阪桐蔭相手にそれぞれ2ケタ失点で予選ならコールドゲームになるスコアで負けていることをお忘れなく。

 

 

 そして今大会もまたベスト8に私立校、それも野球私学ばかりが残ることが確定しましたが、

 

 

 野球私学ばかりが上位に残る大会って本当に面白いですか?

 

 

 確かに野球私学同士の対戦ではレベルが高い試合が観られるかもしれません。

 

 

 でも、野球私学同士の対戦だって信じられないワンサイドゲームになることだってある。今や福島県では天下無敵に近い聖光学院が夏の甲子園に初出場し、初戦敗退した時のスコアってご存知ですか?

 

 

 逆にごく普通の公立校が野球私学相手にジャイアントキリングをやってのける可能性だってある。一発勝負の高校野球はこういう楽しみがあるから面白い。

 

 

 それに高校野球の一つの魅力として「郷土愛」もしくは「近所の悪ガキの晴れ姿を見る」という楽しみ方もある。

 

 

 今のご時世、野球がうまい子はみんな甲子園に行ける可能性がある野球私学に進んでしまい、しかも越境入学なんて当たり前、地元の学校に地元出身者が1人もいないなんてことも珍しくない。野球名門校に部員が、それも野球がうまい子ばかりが集まって、一方地元の学校では部員不足に悩む学校も珍しくない。そうなるとますます野球名門校に甲子園に行きたい子供が集まり、特定の学校だけが甲子園に行き、準々決勝以降は毎年同じような学校の名前ばかり・・・。甲子園に行きたい、という子供の気持ちはわかるけれど、そんな学校ばかり甲子園に出場しても地元民にしてみれば複雑な感情を抱かざるを得ない。

 

 

 今や高校野球も完全に二極分化し、地元の公立校が甲子園で旋風を巻き起こすなんてことが少なくなっている。一見盛り上がっている高校野球ではあるけれど、現状と将来を考えると非常に危険な香りがする。

 

 だから私は21世紀枠の全廃については異議を唱えます。

 

 

 とはいえ、21世紀枠を選ぶにあたっては確かに問題もあるんですよね。センバツの選考基準がそもそもいい加減、ということもあるんですが、長くなってきたのでそのあたりについては次回のブログにて。