ストーブリーグが本格化したところで、久しぶりにMLBネタを。
マイアミ・マーリンズの主砲にして、今シーズンのナショナル・リーグの本塁打王に輝いた若きスーパースター、ジャンカルロ・スタントンがマーリンズと13年総額3億2500万ドルという高額契約で合意間近、というニュースが流れております。
この契約がまとまれば、アレックス・ロドリゲスがニューヨーク・ヤンキースと結んだ10年総額2億7500万ドルを超え、史上最高総額での契約となりますが、このニュースを聞いた瞬間に私が考えたのは、
…あのドケチオーナー、どこぞの国の総理大臣みたいなことやってる。ということ。
マーリンズのオーナー、ジェフリー・ローリアと言う男は現在のMLBにおいては「モントリオール・エクスポズを潰したオーナー」「人件費を徹底的にケチるオーナー」として非常に悪名高く、マイアミ市民からも忌み嫌われております。
フロリダ・マーリンズ時代にワールド・チャンピオンに2回輝いていますが、その直後に主力選手を次から次へと放出する「ファイヤー・セール」を実施したことが原因でマイアミのファンからの支持は今一つ得られていません。(もっとも1998年のファイヤー・セールは初代オーナーが実行したことで、ローリアとは関係ない。)更に決定的になったのは新球場マーリンズ・パークのオープンに伴い、ホセ・レイエス、マーク・バーリー、ヒース・ベルらを補強しながら成績が低迷。シーズン途中にアニバル・サンチェス、ハンリー・ラミレス、ベルを含めた主力を放出。さらにそのシーズンの成績が最下位に終わるとレイエス、バーリー、エースのジョシュ・ジョンソンをトロント・ブルージェイズに放出するファイヤーセールを実施したことにより、新球場の建設費を負担したマイアミ市民のローリアに対する怒りが爆発。メディアも一斉にローリアを批判する騒ぎとなりました。そして、当時からチームの主力として活躍していたスタントンもこのファイヤーセールに関してはツイッターで球団に対する怒りを爆発させており、いずれチームを出ていくことはほぼ確実な情勢ではありました。
そんな中、降って沸いたような今回のスタントンに対する超大型契約の話。
年俸総額は史上最高とはいえ、平均年俸に直すと2500万ドル。ロサンゼルス・ドジャースのエースにして今年のサイ・ヤング賞とMVPを総なめにしたクレイトン・カーショウが7年総額2億1000万ドルの平均年俸が3000万ドル、打者ではデトロイト・タイガースの主砲、ミゲル・カブレラの10年総額2億9200万ドル、平均年俸2920万ドルには及ばないものの、カーショウのチームメイトであるザック・グリンキーの6年総額1億4700万ドル、平均年俸2450万ドルを上回り、超一流選手の仲間入りをするには十分過ぎる額であります。、
ちなみにこのスタントンという選手、マーリンズと言う不人気球団にいるために今一つ知名度が低いところはありますが、
…長打力については申し分なし。バットにボールが当たればそれこそ打球はピンポン玉のように場外に消えていく規格外のパワーをもっております。
さらに外野守備も堅実で、中軸にいながら盗塁も2ケタの俊足を誇り、更に強肩のまさしく5ツール・プレイヤー。粗削りなためにやや三振は多いものの選球眼も決して悪くはない。将来のスーパースター候補としてロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウトの名前が挙がっていますが、このスタントンと言うプレイヤーも総合力では決してトラウトにひけはとらない。ケガが多いという難点はありますが、それでもMLBを支える将来のスーパースターとして着実に成長していくことでしょう。
マーリンズのファンとしては「フランチャイズ・プレイヤー」としてスタントンと長期契約を結ぶことについては異論はないと思いますが、
…オーナーがローリアである以上、どんな長期契約を結ぼうが最終的にはマーリンズに残っている可能性は極めて低い。
ローリアにしてみれば、スタントンと長期契約を結ぶこと、それも史上最高額の条件を提示することでこれまでの「ドケチ」に代表される悪評を払拭し、チームの強化に努めていることを大々的にアピールしたいのでしょうが、
…そこにあるのはどこかの国の総理大臣と同様、自分のイメージアップ目的以外の何ものでもない。
何せマーリンズ・パークの開幕戦にホットドッグの品切れを起こす前代未聞の大失態をやらかしてファンを激怒させ、少し古い話になりますが2006年のシーズンにおいてはロースター25人の半数以上がメジャー最低年俸のルーキーばかりのチームを編成したことに対し、分配金が選手補強に使われていないことに対して業を煮やしたMLBから選手補強にもう少し金を使うよう勧告を受ける始末。更にそのシーズンで勝率5割近くの成績を残し、リーグ最優秀監督に選ばれたジョー・ジラルディをシーズン終了後に解任するなどアホな振る舞いばかりが目立ち、かつ自分のことしか考えない「アホ」オーナーが本気でチームを強化するとはとても思えない。スタントンとの契約延長については合意間近とは言いますが、おそらく来年チーム成績が不振なら間違いなくどこかのタイミングでスタントンをトレードで放出して人件費カットに走ることでしょう。
そうなるとスタントンと史上最高額での契約を結んだところで何の意味もなくなる。
単にローリアのイメージアップ目的のパフォーマンスにつき合わされるだけ。
本気でスタントンをマイアミの「フランチャイズ・プレイヤー」として残し、かつチームの強化を図るためにはローリアをマーリンズのオーナーの座から追放する以外にないでしょうね。