中島裕之、ニューヨーク・ヤンキースとの交渉難航。 | Mr.ROYALの徒然日記 PartⅡ

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 埼玉西武ライオンズからポスティング・システムによるメジャー入りを目指している中島裕之遊撃手の入団交渉が難航している、と言うニュースが入ってきております。



 ポスティングを申請し、ニューヨーク・ヤンキース250万ドルで落札してから30日間の独占交渉権が与えられておりますが、交渉期限の1月6日(日本時間1月7日)まであと3日と迫っている状況の現在、中島とヤンキースとの交渉は遅々として進んでおらず、現地では中島のヤンキース入団の可能性がかなり低くなった、と報道されております。ヤンキースは交渉期限ギリギリまで交渉を行う予定とのことですが、ヤンキースが提示した年俸100万ドルと言う条件に対して中島側が譲歩せず、交渉決裂→ライオンズ残留の可能性が非常に高くなってきました。



 まあ、中島からしてみれば、今年の年俸2憶8000万円(推定)からの大幅減と言ってもいいヤンキースからの条件提示について、容易に承諾できないことはわかりますが、そもそも中島自身は去年からメジャーでのプレーを希望していたはず。日本で一流選手の仲間入りをしたとはいえ、アメリカではルーキー扱いでしかない選手に対して年俸100万ドルでのメジャー契約、と言うのはむしろ破格の条件と言ってもいいように思います。もし中島自身がメジャーでのプレーを望んでいるのならば、ヤンキースで活躍して条件を引き上げてしまえばいい。事実、吉井理人、新庄剛志、高橋尚成などはメジャー最低年俸もしくはマイナー契約から這い上がってメジャーで何年も活躍しております。正直なところ、なぜここまでもめているのかがわかりません。


 

 去年も中島と同じようにポスティング・システムでメジャー入りを目指した岩隈久志についてのブログを書いた記憶がありますが、この時はオークランド・アスレチックスから提示された4年総額1500万ドルと言う条件について、我が国のマスコミは「条件が低すぎる」。交渉が決裂すれば「岩隈はポスティング・システムの被害者」と感情的に報道していましたが、そのことについて



「我が国のマスコミはやっぱりバカ。」



と徹底的にこき下ろしましたが、どうやら今年も同じようなことを書くことになりそうです。



 そもそも、投手であるテキサス・レンジャーズダルビッシュ有に対する入札金額5170万ドルに対し、野手である中島、青木宣親に対する入札金額250万ドル、と言う差がなぜ起こるのか?と言うより、なぜ日本人野手に対しての評価が投手に対して低いのか?特に中南米系の選手と比べるとパワー不足、体格の違い、筋肉のバネの違い等、様々な理由はありますが、最大の理由として挙げられるのは、特に内野手について言えることですが、



「日本から来た内野手はほとんど天然芝での守備に対応できない。」



ことにあります。日本の野球場のほとんどが人工芝であり、人工芝での守備に慣れきっている日本の内野手にとって、天然芝での守備は想像以上に適応が難しいものであるようです。事実、松井稼頭央、井口資仁、岩村明憲、西岡剛と言った日本有数の内野手が何人もメジャーに挑戦しておりますが、セカンド、およびサードとしてなら何とか通用しても、ショートとしては誰一人通用していないことからも明らかです。打撃面ではライオンズで3番を打ち、強打のショートと言う評価を得ている中島ですが、ショートとしてはあまり守備範囲が広い訳ではなく、スローイングにも問題を抱えており、守備に関してはあまり評価は高くはありません。人工芝である西武ドームでこのレベルなのですから、「日本屈指のショート」である西岡ですら天然芝の球場で苦戦している現状(事実、試合中にチームメイトのカール・パバーノが西岡の守備に対してブチ切れたことがあります。)を考えると、中島にレギュラーのショートを任せるのは不安だらけ、と言うことができます。



 実際、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは中島を「内野手の控え」とはっきりと明言している始末。さらには「外野も守れるようにしてほしい」と言っている以上、中島にレギュラーを任せる考えがこれっぽっちもないことははっきりしています。さらにヤンキースにはデレック・ジーターの後釜のショートの最有力候補であり、かつ中島と同じように控えの内野手としてベンチ入りがほぼ決まっているエデュアルド・ヌネスがいます。ちなみにヌネスの年俸は40万ドル程度とメジャー最低年俸クラス。控えの内野手に年俸100万ドルはむしろ高いぐらいですし、ヤンキースとしても中島は絶対に欲しい選手ではありません。中島と仮に契約が決裂しても、かつてアスレチックスのスーパースターであり、故障のために控えに甘んじているエリック・チャベスと再契約をすれば済む話。少なくとも、打力、守備については中島よりはるかに上ですし、年俸も安く済みます。ヤンキースにとって絶対に必要な戦力とみなされていない以上、これ以上の条件の上乗せは考えられませんし、無理して獲得するまでもない。ヤンキースからしてみればここから先は交渉継続、と言うポーズをとるか、中島側の譲歩を待つだけでしょう。そうすると、中島がメジャーでプレーするためには年俸の大幅減を飲む以外にない、と言うことになります。



 おそらくヤンキースの想像以上の中島に対する低評価に対して、我が国のマスコミはこぞって去年の岩隈と同じ反応を見せるでしょうが、日本人野手、特に内野手の評価が上記の理由から決定的に下がっている以上、どうしようもありません。この低評価を覆すためには中島がヤンキースに入団し、下馬評を覆すだけの活躍をする以外に道はないように思うのですが、果たして中島にそこまでの覚悟があるのか?どうもメジャーでのプレーを望んでいる割にはそのあたりの覚悟と言うか、強烈な意志と言ったものを感じないのですが、気のせいでしょうか?



 いずれにせよ交渉期限まであと3日あります。その間にどんな展開が起こるのか?入団交渉がうまくいって無事にピンストライプのユニフォームに袖を通すことができるのか?それとも条件面で妥協できずに決裂するのか?結果は最後まで見届けようと思います。