今日も出版の裏話。

真理を求める愚か者の独り言

さて、この本の発刊後、さる某大型書店でベストテン入りしたその訳は・・・・。

長尾先生は日本全国を歩いて講演と癒しの会をしておられるからね、組織はなくてもネットワークはあるのね。だから、各地それぞれににお世話役がいるという訳。

日本各地29都道府県のお世話役に直接電話してね、この本の注文をまとめてもらったんだ。

例えば札幌のお世話役から100部とか弘前から200部とくいう感じでね。
そうしたら2週間もしない内に全国から4000部近くの注文を頂いたの。

当然出版社は急遽増刷をしなければならないので、早速必要部数の印刷をお願いしたんだ。
で、その4000部はすべてこの書店の本店へ一括注文したという訳。

つまりね、出版元から直接買わないで小売店から買って、注文を頂いた地方の皆さんにお送りしたんだ。勿論定価(1600円)でね。

その訳は、出版元から直接買うと安く買えるけど、流通はしないんだよね。
だから流通させる為に小売店である某大型書店で買った。

出版業界の新聞には必ずこの大型書店本店の売り上げ部数が公表されていたんだ。

地方の書店は常に業界新聞で前記書店の動向を見据えた上で東・日販を通して本を注文するという流れになっているのを知った。

そこで、書店の営業部を訪問して4000部を8週に分けて購入したら、ベストテン入りした、ということなんだ。


この本は結構参考になりました。↓



本屋さんへ行くと、よく低めの棚に本を積み重ねて置いてあるコーナーがあるよね。

あれは売れ筋の本だからそうしてあって、“平積み”というそうな。
20冊も30冊も重ねて置いて頂く。

これはとても大事なことで、それをしてもらう為に東京各所や名古屋、大阪、九州まで飛んだのも今は懐かしい思い出となりました。

この出版計画には東京の天野様の資金的な援助と助力があったからこそ為し得たことだ。

嬉しかったことがある。

いつもの様に、浄心庵での撮影が終わったあと、しばし寛いでいると見知らぬ中年の男性が居てね、その方の話を伺うと、「真理を求める・・・・、を読んで感動しました。心が救われました。こんな素晴らしい方に是非お会いしたいと思って今日ここへ伺いました」とのことだった。

聞くところによると、その人は大阪梅田の旭屋書店で平積みになっていたこの本を買ったということだった。

労が報われた思いがしたなー。


この本は長尾先生が書いたのではなく、出版社と契約しているKさんというコピーライターが書いたものでね、彼は浄心庵に宿泊したり幾度か訪問して先生にインタビューをして原稿を仕上げたの。

そのせいか、この本はKさんの精神思考が如実に表現されている箇所が多々あってね、長尾先生はそのことを憂慮されたのか、Kさんに「もっと勉強してください」と言っておられたよ。

小川さんがこだわった真理を求めるというカンムリは、その後困ったことがあったなー。

このサブタイトルをつけただけで、書店では精神世界の本とか宗教書として扱われるんだな。
そのジャンルの本は通常平積みされず、書店の奥の棚にしまいこまれてしまうか、若しくは当該出版社のコーナーに陳列だよ。

この場所では売れない。

だから、いろんな 書店を訪問してね、「いやいや、これはノンフィクションです。ベストテン入りしている新刊だから平積みに」と言わなければならなかった。

それにしても出版社は長尾先生に自費出版して頂きその上、書店販売に協力してもらって良かったですねー。べーっだ!

さて、次なる本も自費出版。

柳の下にもう一匹ドジョウがいたのね。


  1999年11月発刊


もぅ~、寄ってたかって・・・・・・。
      
出版社を揶揄するよりも、長尾先生というお方は如何に素晴らしいかってことだよね。

真理を求める・・・・・の時もそうだったけど、この本も長尾先生の双肩にかかった負担は並大抵じゃない。

長尾先生は度重なる自費出版でどれだけの費用を捻出したか想像に難くないね。
それに伴って、どれだけ肉体的な負担が生じたか。

それは見た者だけが知っている。

各地の講演会では多いところでは1000人位の方が講演を聞きに来る。癒しを受けに来る。

講演会が始まる前となると、楽屋には本が何百冊も山積みになっていてね、長尾先生はその一冊一冊にサインをされるんだな。

売れても売れても先生の懐には一円のお金も入ってこないんだよ。
それどころか、その他に色紙を書いたり、相談事を受けたりして一刻の休みもないんだよ。

無償の愛の実践とは、かくに厳しいものですね。

それでいていつだってこの笑顔だよ。


  何が起きても「有難うございます」

私たちはどれだけ長尾先生に負担を強いたことか・・・・・。

四六時中 休むことなし我が行は 神との誓いあればこそなり

神様と約束をされたんだって。

「どんなに厳しくてもすべて笑顔でお受けします」と。


さて、その後のB社のことです。

長尾先生との旅で各地を回っていると、行く先々の講演会場にB社から届けられた花が飾ってあったの。
ほら、よく開店祝いなんか店先に置いてある花でね、札にB社って書いてあった。

それと共に、B社で発刊された思いの中に生きるが沢山届けられていたの。

行く先々で花と本がセットになって届けられていたよ。


出版にまつわる裏話をあれこれ書きました。


実はこの他にも実現しなかった裏話があるの。
最後にそれを紹介するね。

長尾先生の本を出すなら大手出版社にするべきだと思った。

データ販売を目論んでネットワークがあるので先に書いたように4000部や6000部は確実に販売できる。

本が相当数うれると出版社は文庫化するよね。
それを考えたの。

長尾先生の本は謂わば現代の聖書だから、恒久的に残さなければならないと考えたの。
それには文庫を持っている講談社とか新潮社とか岩波書店とか筑摩書房とかをね。

でもねこういう活動をするというのは相応の負担が生じてくる。
その負担に耐え切らなかったのね、

で、一度講談社を訪問して交渉したんだけど、諸々の事情があって夢破れてしまったんだ。

要は情熱が足りなかったということだ。
長尾先生がご存命中にそれをやれば良かったと悔やまれてならない。

でもね、まだ諦めてはいないよ。
昨年からセッセセッセとテープ起こしをしているんだ。

浄心庵講演会の第一部から第十部まで終わっているから、ある程度まとまれば出版するつもり。
それには勿論ご遺族とお話を重ねて、版権の問題を調整した上でのことだから時間はかかるだろう。

それとは別に長尾先生がラジオで放送(全23話)した時のテープ起こしも終わってるからいつでも出版できる状態だ。
これも前記の問題が整理してからのことになるなー。

あと最後にもう一つ。

実は印刷が終わった本があるの。



この本は勿論、長尾先生の講演会から抜粋したものだよ。
お子さんを持たれるすべての親御さんに是非読んで頂きたい小雑誌です。
ご希望の方はプレゼントさせて頂きますのでご連絡を。