2026年5月20日

東京大学医科学研究所などの研究グループは、再発または再増大したグレード4の悪性神経膠腫の患者を対象に、改変ヘルペスウイルスを使う新たな医師主導治験を始めると発表しました。


ウイルス療法は、がん細胞のみで増えるように遺伝子改変したウイルスをがん細胞に感染させ、細胞内で増殖して破壊する治療法。正常細胞では増えないため安全性は高いといわれる。投与を繰り返すほど免疫反応が高まる効果もある。


治験では、2021年に条件及び期限付で製造販売承認された第一三共と共同開発した製品名「デリタクト注」のベースとなったウイルスに、抗VEGF抗体薬「ベバシズマブ」の遺伝子を組み込んだ改良型を使用する。

投与後にむくみや炎症が起きることが課題となっていたが、改良型は腫瘍内で脳のむくみを抑える抗体を作りながらウイルスが増えるのが特徴で、こうした反応を抑える効果が期待されるという。


対象疾患:初期治療後に再増大した膠芽腫(IDH-wildtype)およびグレード4星細胞腫(IDH-mutant)

試験デザイン:第1相。医師主導治験。単アーム。

実施施設:東京大学医科学研究所附属病院

投与方法:腫瘍内投与。定位的に腫瘍内にT-BV(1×109 プラーク形成単位)を投与する。1回あたり腫瘍内の最大2カ所に分割投与。5-14日以内に2回の投与を行う。

被験者数:6名(最大12名)

主要評価項目:安全性の評価

副次評価項目:全生存期間、無増悪生存期間、画像上の腫瘍変化

観察期間:最終投与後90日間

※2年以内に投薬を終え、3年以内に結果を公表する予定。

東京大学医科学研究所:プレスリリース:悪性脳腫瘍に対する次世代型ウイルス療法の 医師主導治験を開始 ――脳腫瘍の腫れを生じないベバシズマブ発現型ヘルペスウイルス――


東京大学医科学研究所:プレスリリース:悪性脳腫瘍に対する次世代型ウイルス療法の 医師主導治験を開始 ――脳腫瘍の腫れを生じないベバシズマブ発現型ヘルペスウイルス――(PDF)



※以下、追記いたします。


東京大学医科学研究所附属病院 脳腫瘍外科:進行中の治験:悪性神経膠腫患者に対するベバシズマブ発現型抗がんヘルペスウイルス(T-BV)を用いた第Ⅰ相臨床試験



東京大学医科学研究所附属病院 脳腫瘍外科:進行中の治験:悪性神経膠腫患者に対するベバシズマブ発現型抗がんヘルペスウイルス(T-BV)を用いた第Ⅰ相臨床試験(医療専門家向け詳細情報)