「アレってあのためにあるのかな?」気付いた時には遅かった。アレとは、リュックに付いてるアレ(名前が分からないのでアレとします)。
単色のつまらないリュックにアクセントを加えてるアレ。何のためにあるのかは分からない。が、あったらおしゃれだな、程度で付けているのだと思う。そのアレに対して、
お守りを付けているヤマモト。
「アレってあのためにあるのかな?」そう言った後ろにいる女子達に気付いていなかった訳じゃない。センター試験も終わり気分が高ぶり友達との話に集中して気にしていなかっただけだ。だいたいの受験生が根津駅へ歩いて行く中ヤマモト達は反対の湯島駅に向かっていたため声が空に響いていたた。「いや、絶対あのためじゃないよー」片方の女子が言う。「でもさぁ、お守り吊すのに丁度良すぎない?」「でも、私けっこー前にアレにキーホルダー付けてる人見たことあるよ」この時、ヤマモトは既に恥ずかしくて自分の話に集中出来ず、後ろの女子達の話しか頭に入ってこなかった。ヤマモトは、このタイミングでリュックを体の前に持ってきて女子達の話を終わらせられなかった。何かに負けてしまう気がしたからだ。それは、恥ずかしさなのか、気付かれたと思われることに対してなのか分からない。女子達がヤマモトのリュックのアレについて笑い声があがる度にわさびを食べたときのツンッとした様な感覚がした。でも、心は心地良い。その時思ったことは「ドMって無敵」

