2015/12/4(金)~6(日) 名古屋、2泊/2.5日 (後編) | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

  不定期更新
  FLOATING JAM & FJスズキ の 『日常と非日常』



『前編』 から つづく。)



名古屋 2連泊の 2日目、最終目的地。



改めて・・・。

17:00 ~
● 名古屋 中日劇場
 『THE RETURN』 JAPAN TOUR 2015


「中日劇場」にて、ビートルズ・トリビュートバンドのライブショー観覧。


この、『ビートルズ・トリビュートバンドのライブショー』というところに関して、私自身なんら造詣が深い訳でもございませぬが。
この記事をどういう流れで組み立てようかと考えていると、なぜかあれやこれや その周辺に関する書きたいことが ずるずると芋づる式に出て来て、全く まとまらなくなりそうな予感が・・・。




当ブログ、例えばこういったネタを記事にする際には原則的に FJスズキ 内部の「記憶&思い込み」のみを拠り所に記述していることは、常々 文章の端々に匂わせているつもりでございます。


客観的な正確さを期すのでれあば ちょっとネット検索しさえすれば分かるような事柄も、例外的に「正確な年月日の特定」が必要な場合や/「人名の漢字が怪しい」場合などを除き、あえて調べない。
なぜなら、他所で調べれば分かることを ここでトレースするよりも、むしろ 私の「記憶&思い込み」という私自身の中で起こっている『事実』を「私が書く」ことにこそ意味があるものと信じております故。



・・・という観点から 改めて、

 「当ブログはフィクションであり、実在する 個人/団体/企業/国家 その他諸々とは “ あまり “ 関係ありません。」


と、そんな前提を踏まえていただきつつ。





『ビートルズ・トリビュートバンドのライブショー』というものについて。


“ そういうのもの “ があるってことを初めて知ったのは、中一の夏。
まだビートルズを知って日も浅い頃で、夏休みに自宅で TV のワイドショーを観ていたところ(恐らく東京のどこかで) “ そういった “ 公演があった旨 紹介されておりました。

ビートルズを模したビートルズではないバンドが『Hey Jude』など演奏するシーンが流れておりましたが、当時はその位置付けや意味をあまり理解できておりませんでした。


その後、実際に『ビートルズ・トリビュートバンドのライブショー』の類いを体験したのは 今から 20年くらい前(だったと思います)、『ブートレッグ・ビートルズ』なる公演。
日本武道館で、1966年の ビートルズ 来日公演を再現するというショーでした。
ホンモノの来日公演時のものに似せた大判のチケットとか、司会として『E・H・エリック』氏 の代役を『岡田眞澄』氏 が勤めたりといった演出も。
(さすがに「前座に『ザ・ドリフターズ』」というのはありませんでしたが・・・。)

前半がその日本公演の再現、後半は『Sgt. Pepper’s ~』ジャケのミリタリー調衣装などで 中~後期の楽曲演奏という感じだったと記憶しております。

私が武道館に行ったことあるのは、その時 1度のみ。




ビートルズ以外の特定のトリビュート・バンドの公演としては、昭和女子大の講堂で『PINK FLOYD』のものを観たことがあります。(こちらは 5年くらい前?)

あと、実際に観た訳ではありませんが 恐らく『QUEEN』辺りでもそういった類いの公演があったかも・・・くらいの認識。



こうした『トリビュート・バンドの公演』が目指すところは 恐らく、「純然たるロックコンサート」ではなく、「ロックコンサートを再現した音楽ショー」といったことではなかろうかと思います。
今回 特に「中日劇場」という あまり『ロック』とは縁のなさそうな会場だったこともありますが、音の作りも “ いかにもロック “ 的にガンガン煽るイメージとは異なり、レコードの再現などに重きを置いた “ 聴き易いバランス “ に傾倒していた気もしますし。


あと、演奏内容についても 重要なのは「オリジナル楽曲を可能な限りトレースする」ってことでしょうね~、やっぱり。
“ 特定のライブ公演の再現 “ といった演目の場合は言わずもがな、その他の楽曲の場合でもオーディエンスが求めているのは「レコードと同じ!」というところがキモではなかろうかと。
カバーバンドよりも むしろ “ 本家 “ のライブ演奏って、特にギターソロとかがアドリブで「レコードのフレーズと違うじゃん!」ってなってガッカリするケースがよくあります。

まあ、ライブを演ってるミュージシャンの立場からしたら レコードで世に流通しているモノはあくまで「ある一時点での記録」みたいなものであって、絶対的/恒久的なものとは捉えていないってことは往々にしてあるかと思いますけど・・・。


因みに。
『筋肉少女帯』の G. 『橘高文彦』氏 は、過去に観た憧れのギターヒーローのコンサートで「レコードのフレーズと違うじゃん!」ってなってガッカリした体験から、ご自身のギターソロに関して

 ~ レコーディングはアドリブでキメて、ライブではそれを自身で完コピして再現する。

という手法を取られてます。
この辺りは そもそものバンドの演奏スタイルやジャンル(例えば、毎回セッションに近いノリだったりとか)にも依りますが、「オーディエンスが聴きたいのは “ これ( = レコード ズバリの演奏) “ でしょ?」という感覚で演っていただけるのは、私としてはヒジョ~にありがたい。


これに近いお話・・・と言えるかどうか。
以前、お笑いコンビの『いつもここから』の白い方の人が「ギターマガジン」の連載で、ライブに於いて

 「悲しい時~!
  大好きな あの曲が、” アコースティック・バージョン “ だった時~!」

みたいなネタを書かれてました。
(正確な言い回しは覚えてなくて申し訳ありませんが、主旨としてはそんな感じだったかと。)

これも、ヒジョ~によく分かる!


さらに、ちょっとズレる気もしますが。
ライブで「定番ヒット曲のサビをオーディエンスに歌わせる。」ってパターンなんかは、むしろ犯罪級だと私は思っておりますよ。

 「こちとら アンタの歌に金払ってんだから、ちゃんと仕事しろよ!」

みたいな。(笑)



う~ん、でも・・・。
それって 押し並べて聴く側のワガママでしかないのかな~、もしかして。

 「だったら、家で CD 聴いてりゃいいじゃん。」

って話にもなりかねないし。


一方で。
例えば、『ミュージック○テーション』で『筋肉少女帯』が “ 生演奏 “ する際。
Vo. 以外が 奇跡的に 全く/100%/完璧に 普段 CD で聴いてるのと寸分違わぬ 演奏/アレンジ/音色/エフェクトのニュアンス/音量バランス だったりした場合。

 「う~ん、それはそれで違う・・・。」

って思ってしまうのは、やっぱワガママなのか?



この、『ライブに “ レコードと同じ “ モノを求める感覚』って、自己分析しても なかなか意味付けが難しい。
モノマネ芸人を観て笑ってるのとも ちょっとニュアンスが違う気もするし。

カバーする立場からすれば ライブに限らずレコーディングでもオリジナルに限りなく近いものを再現する作業って、『技術的なトライアル』として 自己満足要素も含めてそこに “ やりがい “ を感じるのは分かる気がします。
が、それを『観る』のも面白いと思えるのは何故なんざんしょ?



もしかしたら、精巧な食品サンプルを観て「お~~~!」ってなる感覚に近いのかも。
食品サンプルの場合、元来の

 ~ 毎度々々見本にホンモノを使ってたら、手間も掛かるし もったいない。

という機能の面から見れば、そもそも『見本』である以上『ホンモノ』は超えられないはずなんですが。
逆に「ホンモノでない素材」から出来ているからこそ、「如何にホンモノに似せるか」という『技術的なトライアル』に 別の付加価値が宿るってことなんでしょうか。



ってゆーか。
そんな回りくどい話ではなく、もっとシンプルに

 ~ 現実ではもう観られないライブを疑似体験できる。

というくらいの感覚なんでしょうけどね、実際は。


実際、ビートルズ や QUEEN 辺りはメンバー死去で物理的に(?)再現不可能だし。

PINK FLOYD の場合も、少なくとも私がそのショーを観た時点では 恐らく一般的な見方としては「過去の経緯からして『ロジャー・ウォーターズ』の合流はあり得ない。」と思われていたでしょうし。


もっとも、メンバー変遷のあるバンドでは どの時点を『オリジナル』と捉えるかというのもなかなかビミョ~な問題かも知れませぬ。
むしろ現役続行中のバンドでも、個人的には「既に別モノじゃん。」と思ってしまうところもありますし。


これまた『演る側』の都合とは裏腹に、『観る側』のワガママってことなのかな~。






という、『前置き』。
(あぁ・・・。)



本題の『THE RETURN』に関して。


私なりに思う特徴としては、

 ~ “ ポール “ が似てる。

ってところでしょうか。
これまでに観た、ビートルズ を再現したバンドや 映画/ドラマ などって、

 ~ “ ジョン “ は似てる。

というのが多かった気がいたします。
メンバー 4人の中では『ジョン・レノン』が一番 声色とか容貌に分かり易い特徴を持ってるってことがあるかと思います。その分「似せ易い」のではなかろうかと。
あと、特に 映画/ドラマ とかの場合は ジョン・レノン をストーリーの主軸に据えたものが多く、それだけに “ ジョン “ のキャスティングに より力が入っていたということもあるでしょうし。
逆に、他のメンバーに関しては何とな~くぼんやりしているというのが一般的かと。

『THE RETURN』では、“ ポール “ が際立って似てる印象でした。
声も容貌も かなりいい線行ってる感じ。ベースも ちゃんとサウスポーだし。
ただ、この “ ポール “ 、縦横比に若干のアレンジが入っておりましたが。(横方向 120% くらいの変倍?)



ちょっと前まで、こうした公演は厳格に “ 本家 “ 直系のオフィシャルな興行だとばかり思い込んでおりました。

が。
恐らく実際は、権利関係さえクリアすればライセンス制みたいな感覚で 内容は興行主次第ってことなんでしょうね~、きっと。


正直なところ、今回の『THE RETURN』については

 ~ 思っていたのとちょっと違った。

という感想。
決してネガティブな意味合いではなく、あくまで私の中での” 相対的な “ 感覚のお話ですので 誤解のなきよう。


具体的に言うと。
これを観に行く直前に、確か 2年くらい前に WOWOW で放送されて録画したまま放置していた 本件とは別の『ビートルズ・トリビュートバンドのライブショー』公演の番組を、ちょっと “ ビートルズ気分 “ を盛り上げようと(& ディスク容量空けようと)観てみたところ・・・。
これがなかなか よ~く出来た公演でございまして。

BD に焼いてどっかに置いたはずですが タイトルなど確認出来なかったので、あやふやな記憶のまま書きますと。

前半は、確か シェア・スタジアム 公演の再現。
後半は、中~後期楽曲の演奏。
この辺の構成はもう『ビートルズ・トリビュートバンドのライブショー』公演に於ける “ お定まり “ パターンってことですな。
その後半のステージ、こちらもやはり『Sgt. Pepper’s ~』の衣装などに加え、サイケデリックな舞台美術もなかなか凝ったものでした。

さらに、演奏面で私的に「正解!」だと思ったのは、

 ~ (後半ステージに)トリビュート・バンドの “ 正式メンバー “ として Key. が居る。

というところ。


以前にも何度か書いておりますが、私個人的には ビートルズ の楽曲では特に中~後期が好きなので、カバーバンドにもそっちを演って欲しいという希望がございます。
ただ、これまでフェスなどで私が拝見した ビートルズ・カバーバンド に限って言うと、「メンバー 4人でストイックに初期楽曲を突き詰める」というタイプが多かった気がいたします。
“ それ “ 自体が目的であれば端から とやかく言う筋合いのお話ではありませんが、何とな~く思うのは、

 ~ 固定メンバーで Key. 入れると 中~後期楽曲にまでレパートリーが拡げられる一方で、初期楽曲では Key. が職にあぶれてしまう。

というジレンマがあるのではなかろうか・・・と。


むしろ、ビートルズ に限定せずに “ Key. あり “ で 60~70年代ロック演ってるバンドの『Get Back』の方が、4人のみで厳格に ビートルズ 演ってるカバーバンドよりも “ ビートルズっぽい音 “ だったというのも目撃しておりますし。

そんな中で、例えば Key. パートを G. に置き換えるなどの工夫をされてるバンドもありましたが、

 ~ だったら、 “ ジョン “ か “ ジョージ “ のどちらか一方(もしくは両方)、『ギターシンセ』使っちゃえばいいじゃんね~。

というのが私の持論。
まあ、余計なお世話でしかありませんが・・・。

ちょっと思い出しましたが。
固定メンバー Key. ありの ビートルズ・カバーバンド で、初期楽曲では Key. でハーモニカパート演奏とか/タンバリン担当とかいった感じで うま~く「あぶれない工夫」をされているバンドもありました。


で、何が言いたいかというと。
私の勝手な思い込みで 今回の『THE RETURN』にも WOWOW で観た公演と同じボリュームを期待してしまっておりました。
『THE RETURN』の方は、前半は確か エド・サリバン・ショー の再現ではなかったと思います。
(これまた既に記憶が怪しい・・・。)

一応、前半までは概ね " お定まり " パターン。

違いが際立ったのは後半パートで、『THE RETURN』は 舞台美術など含めて なかなかコンパクトにまとめたな~という印象。( “ 合理的 “ とも言える?)
衣装は『ABBEY ROAD』のアルバムジャケ写真の姿を再現。
はっきり言ってかなり地味(こちらも 合理的?)ですが、まあ この公演を観に来ている人々には充分に意図は通じているかとは思います。


WOWOW での方はある意味「潔く」固定メンバーとして Key. が存在する一方、『THE RETURN』の方は厳格に(?)メンバー 4人のみで、Key. は主に “ ポール “ が担当。
( “ ジョン “ 担当の曲もあった気がします。)

まあ それはそれで「正解」だと思うのですが、ちょっと(かなり?)面白かったのが・・・。

“ ポール “ が Key. を担当する楽曲の B. パートに関して。
私の記憶では『Hey Jude』では “ ジョージ “ の人、『Let It Be』では “ ジョン “ の人にスイッチしていたと思います。
で、このお二人。演奏する ベース・ギター は、” ポール “ が使ってるバイオリン・ベースをそのまま引き継いで弾くわけなのですが・・・。

 ~ サウスポー用のベースを右で弾く!

という荒技。
(要するに、1~4弦が上下逆さの状態で。)

素直に考えるとフェンダーの『ベースVI』辺りを一本導入すれば体裁が整いそうなお話なのに、もしかしてこれって「最早 “ ネタ “ の域なのか?」と思えなくもない。
ただ、この公演の全体的な “ コンパクトさ “ から鑑みるに「諸々切り詰めた結果」と見るのが正しい気もするし。
いずれにしても、何とも感慨深~い。(笑)


「コンパクトさ」という面では、導入している機材全般、今時の一般的なホール級のロックコンサートに比べるとかな~り “ コンパクト “ にまとまっている印象。
恐らく、ハイエース 1台で ライブハウス回ってるツアーバンドの物量に ちょっと毛が生えたくらい?
(いい加減 怒られる・・・。)

まあ、‘60年代の再現と考えれば 大いにリアリティありとも言えますが・・・。

あと、『ビートルズ』という切り口で観客動員が ある程度保証されるであろうところまで含めると、興行としては相当に “ 手堅い “ 気がいたします。


あ、私としては総じて 充分楽しめましたので。
念のため。
(取って付けた感アリでアレですが・・・。)






で。


今回の 2泊/2.5日 名古屋滞在に於ける最大の発見は・・・。


『やよい軒 錦2丁目店』ですかね、やっぱり。



『栄四丁目店』の方は宿に近かったので 2度程利用しました。
最終日の 12/6(日)は、日曜お昼のオフィス街ならガラ空きだろうと読んで あえて『錦2丁目店』の方へ行ってみたところ。

 ~ 他店と違って食券の自販機がない!

各席ごとに液晶パネルの端末が設置されていて、そこから注文するシステムでございました。
恐らくメニュー自体は他店と共通と思われますが、もしかしたら平日お昼時なんかは「ランチ・ミーティング」とかに利用されてるじゃないかと思わせる ハイソな(?)雰囲気漂わせております。
店内は意外に混んでいて、実際、大学のゼミか何からしきグループがミーティングっぽいノリで利用されてましたし。

「へ~~~。」って感じ。

まあ、それだけのことなんですけど。


あ、ただ。
このハイソなシステムだと、

 「(『目玉焼朝食』+『納豆』の)玉子は “ 半熟 “ で、納豆のネギは “ 別 “ で “ 多め “ に。」

みたいな細かい注文は付けられないってことですよね、きっと。
(他店で、実際にそう言ってるヒト見ました。)





以上。

(おわり)





■ FJスズキ ■