文系には価値がない。 | Floating Apartment on London

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アーセナル特派員ブログ。
その傍ら日系企業の若手駐在員として、
会社・組織の立ち上げ業務に日々従事してます。

日本では営業や調達は文系の仕事という風潮がまだまだ強いですけど、
日系以外のグローバル企業ではエンジニアが(も)営業・調達の仕事をします。
というより、技術のことがわからない営業や調達なんて存在価値はほぼゼロという世界。
僕の会社の非日本人営業・調達スタッフも全員エンジニア出身。

確かに中身わかっている人が売ったり買ったりしたほうがいいのは当然の話で、
日本のように理系が「営業や金のことは文系に任せておけばいい」と思っていて、
そこの需要に文系が入り込んで営業の仕事をしているなんてことはありません。

つまり日本企業のかなりの数の営業や調達に従事している方々は、
英語が出来てもグローバル企業では無価値、ということになります。

じゃあ海外で経済とか経営とか法律とかを一流大学で勉強した
インテリな人たちがどこへいくかというと、
こんな感じだとLSE卒の知り合いが話しておりました。

1.金融(LSEの人なのでCityという単語を使ってました。)
2.ロースクール→弁護士(barrister or solicitor。ブリジット・ジョーンズの旦那がバリスタで、恋敵っぽい感じで出てきた色黒の女性がソリシター。だからどうしたって話ですけど。)
3.会計士 (Accountant)
4.コンサルタント(Consulting firm)
5.MBA→マネージメント(Management)

さすがに終身雇用って何?っていう世界だけあって、専門職というか
スキルと経験がとっても大切な仕事ばかりですね。
そして面白いのがManagement(日本語に訳しづらい・・・)も
専門職だと思われているところですね。
このあたりは優秀な営業やエンジニアが会社の幹部になっちゃうような
会社に働いているとピンとこない概念かと思います。
(ロンドンでも日系企業のリエゾンオフィスで働いていて、
 感度が悪い人はピンとこないかもしれない。)

つまり、数字を分析して経営目標を決めて、戦略を立てて、
問題があれば分析して糸口を見つけて解決策を実行して、
部下を教育して、自分がコミットした目標を部下をモチベートして達成して、
業務プロセスを改善して、なんていう能力はスキルだとみなされているんですね。

これが何を意味するかというと、外国人の部下をモチベート出来なくて、
自分の部署の戦略はなんだ?と聞かれて名言が出来なくて、
上司の指示だからとりあえずやれ!なんていう日本人は
「おまえなんて俺の上司の資格ないから日本に帰れよ」
なんて言われる事態が発生するわけです。

こんな状況にいると、土日も勉強しないとやべぇ!ってなるわけです。。
ほんと僕なんてロンドンで今、職見つけようとしても
日系企業か日本と取引している企業以外はまず無いでしょうからね。
日系企業でそこそこ良い給料もらってても、こっちじゃ市場価値ゼロに近いんですよ。

で、こういう状況にいると考えざるを得ないのが今後のキャリアの方向性。
日本に帰ったらこっちで勉強したことは役に立たないということはないけど、
日系企業にはあまりなじまないので、それほど有用ではないかもしれない。
ただし、日系企業はこれから日本に留まっていると沈没するのが目に見えているので
海外企業の買収とか、買収先の経営に関われる人がが必要になってくるはずなので、
そのあたりを目指せばロンドンでのキャリアが無駄にならない、かな。

ちなみに
※1 年功序列の概念はヨーロッパではほとんど無いので、年季の入った事務のおばちゃんや、窓際のおっさんはクビか給料300-400万円の世界です。
※2 僕自身も文系出身で、専攻はJapanese Constitution(日本国憲法)だと言ったら現地スタッフにrubbish for your job!(訳:お前の仕事に全然関係ねぇしwwwww)と言われております。
※3 欧米では大学の学部卒の偉い人はあまりいなくて、博士(ドクタ)か修士(マスタ)と取った人が大多数です。逆にいうと、マスタ取ってようやく一人前とみなされる世界です。