再会 | 「釣草子」

再会

取引銀行を回り、文具店に買い物へ

買い物を済ませ、車を止めてあるパーキングまで

歩いていると背後から「○○!」と私を呼び止める

声がした。

私を敬称無く呼び止めるのは私の幼馴染みか目上の人。


声がする方へ振り返ると独立直前まで務めていた会社の

社長だった。


以前、務めていた会社は設立当初からのメンバーで

社長の右腕として働いていた。

運営方針と営業は社長、実務と人事は私の役割だった。

社員や他の役員からの愚痴やフォロー、客先でのトラブルは

私が処理していた。

会社を成長させるために頑張った。

設立から2年後、売上は4倍近くになった。

しかし、会社が成長するにつれ社長は変貌した。

だから社長との衝突は多々あった。


初志貫徹。

大事なこと。

志が変わって行く社長を見て私の気持ちは醒めて行った。

そして埋める事が出来ない溝が出来てしまい、私は会社を辞めた。


呼び止められた私はその社長と近くの喫茶店に入った。

お互いに近況を報告。

先方は二つの会社を吸収合併して更に大きく成長していた。

まぁ、元部下達と時折り酒席を設け、話しは聞いてはいたのだが


その人物からは昔の熱い気持ちは伝わって来なかった。

何が人を変えるのか?


またひとつ戒めになった。

この人物もまた師である。