師弟関係
「師弟」と言うと落語、漫才、演歌など芸能に多い。
釣りの世界にも師弟関係がある。
磯釣りはやってみると奥が深い。
深い分、色々と学ぶべき事がある。
一人で釣りを楽しんでも特に問題はないと思う。
自分の場合も磯釣りを始めた頃、魚を釣りたくて散々海に通った。
しかし、行く度に疑問が湧く。
「どうしたら魚が釣れるのか?」
「こういう状況下ではどうしたらいいのか?」等々。
釣り雑誌を読んで少しは解決するがそれでも疑問は残る。
それと一人で釣りに南伊豆まで通うのに経費的にも体力的にもキツイ。
釣り場も通って色々なポイントを覚えなければならない。
自分の場合、周囲に磯釣りをする人がいなかったので
なおさら一人で悩み、自分なりに解決していたのだが限界を感じた。
性格上、のめり込むタイプなのでどうもいけない。
それで釣りクラブに入会した。
そこでクラブの会長だった師匠と出会った。
以前にも記事にしたが今までに出会った事がないタイプ人だった。
以前の記事 → 「一期一会が大事だと思う」
暫く師匠の釣りを見ていて「この人の側で釣りを覚えたい!」と思った。
弟子にして欲しいと頼んだが断られた。
「俺はもう弟子はとらないから」と
師匠が嫌がっても同じ磯に乗り、釣りをしながら師匠の釣りを見ていた。
当時はサラリーマンだったのだが平日に師匠が釣りに行くたびに
出来る限り休暇を取って一緒に釣りに出掛けた。
次第に色々な事を教えて貰える様になった。
3年が過ぎた。
そして「弟子にしていやるから」と言われたが当然、教えは更に厳しくなった。
撒き餌の作り方、状況判断の仕方等々。
TVや雑誌の取材の裏方もこなした。
師匠は言う。
「お前が釣り上手くなってもその距離は縮まらないよ。」
「お前が上手くなった分、俺も上達しているから」
「距離が縮まったと思うと生意気になるし、
生意気になると碌な事にならないだろ。」
「天狗になれば他人に潰されることもあるが、その前に俺が潰すから」
謙虚な気持ちで精進しろと言う事。
釣りには厳しい人だが以前、私が骨髄炎で3ヶ月ほど入院した時には
必ず週2回、南伊豆で取れた「トコブシ」や「サザエ」を傷には良いからと
刺身や酒蒸しにして届けてくれた。
そんな一面も持っている。
暫くして会社を辞め、この先如何しようか迷っていたところ
師匠から「釣具の会社やれよ」と言われ今に至っている。
それ依頼、公私共に師弟の関係だ。
師匠と出会って8年。
まだまだ釣りは駄目出しをされる。
しかし、釣りを通じて学んだ事で人間的に変わったと思っている。
彼女は、私が元々師匠と同じタイプの人間で師匠と似ていると言う。
普段、二人が話しているのを見ていると仲の良い兄弟の様に見えるとも言う。
人生、良い意味でも悪い意味でも何人かは自分に多大な影響を与える人は
いるものだ。
だから尚更に「一期一会」が大切と思い、「我以外皆師」が座右の銘になった。