ドイツ語に“Schadenfreude”(シャーデンフロイデ)という語がある。
そのまま前後に分けてみると、「残念」「喜び」という言葉の合成によるものと分かる。
だが、普通に「残念な事を喜ぶ」というのでは意味が分からないだろう。
実はこの言葉、日本語の「人の不幸は蜜の味」、現代のネット卑語的にいうと「メシウマ」という際に使用する。
つまり、shadeなのは自分では無く他人。freudeは自分。
実に嫌らしい語なのだ。
だが、この言葉は決して喜ぶ人に対してポジティブに働くわけではない。
全体の意味的には極めて否定的に使用される。
つまり「恥知らずな喜び」的な意味で使用され、人の不幸を喜ぶ事の「違和感」「残念感」を含む語なのだ。
日本の場合、恥も外聞もなく「メシウマ~」などという下らない人がおり、それをニヤニヤしながら見ている更に下らない人たちが堂々と世に跋扈している事を考えると、ドイツ人の正義の感覚はバランスが良いと感じざるを得ない。
人を呪わば穴2つ。悪意は決して自分を高めることはない。
他人の不幸を願ったり、喜んだりするくらいなら、自分が幸せになる道を探して欲しいものだ。
本当に不幸で、本当に残念な人になってしまう前に。
さて、運良くこれを読んで、自分の事だと気付いてくれると良いのだが…。
おそらくは読むことも、気づくことも無いのだろう。
残念ながら。