今日、米国最高裁がハーバード大学とノースキャロライナ大学に判決を出しました
やっぱ、人種差別はダメじゃんって。
この裁判の正式な名称は、これ。
『学生の公平なアドミッション 対 ノースキャロライナ大学 に関する裁判』
と
『学生の公平なアドミッション 対 ハーバード大学 に関する裁判』
(6月29日付けのワシントン・ポストの記事)
ちょっと説明しますね。
まずは、ノースキャロライナ大学の裁判内容から。
白人とアジア人のアプリカントよりも黒人、ヒスパニック、そしてネイティブ・アメリカン(元々の原住民であるアメリカ・インディアン)に対して、合格を有利にしたというもの。
ハーバード大学の方は、
アジア人の学生数を制限するために、独自の基準を設定して合格を調整していたのはアジア人学生を差別したことになるいうもの
ちょっと付け加えますけど、留学生は関係ないですから、これ。あくまでアメリカ国民と永住権を持ってる学生の話です。
この判決を出した判事の構成は以下の通りです。
白人男性4人
白人女性2人
黒人男性1人
黒人女性1人
ヒスパニック女性1人
アジア人はいない
マイノリティに下駄を履かせて、合格させることで、大学が恵まれない環境の学生にチャンスを与えること、ひいては大学の環境も多様性を持たせようというアファーマティブ・アクションは、アメリカでは数十年、問題になっていました。確かに、意味のある運動だったんですけど、それで、優秀な学生が締め出されるのは、逆差別じゃないかって。しかも人口比率ではマイノリティのアジア人はこの中に入れない、とかかなり変則的であったもの確かです。
その昔、ハーバード大学のユダヤ人締め出しっていうのもありました。学生のバックグラウンドを調査しなかったら、アメリカの最高峰にユダヤ人が集まって来ちゃった。だから、面接試験を導入したっていう話もあります。実際に会ったらユダヤ人顔が分かるってことで。この話、根が深いです。
ノースキャロライナ大学は、州立大学のトップ5に入る超名門大学です。まず、ここは、公立大学なんだから、人種で合否を決めるのは、マズイだろう、って言われちゃいました。ハーバードは、私立だけど、こっちも1964年に制定された人種差別禁止の法律に抵触するということで、ダメだってことのようです。
この判決と同様に、2016年には、テキサス大学でやっぱりアファーマティブ・アクションは逆差別だということで、禁止されてます。テキサスは、保守派の牙城ですけどね。
この話、他の大学にも飛び火するのか、反撃があるのか、これからも予断を許しません。特に日系人学生には、直接響いて来ますしね。気になります。
どこから見てもピカピカで合格出来る実力があれば、問題ないんでしょうけどね。まあ、頑張って下さい。
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