10月15日は、もう明日。どの大学が参加するんでしょうか?常勝のマサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の他に。
アメリカとカナダの大学の学部生が参加して、『世界一』を競う数学のコンペの申し込み締め切りが明日に迫りました。アメリカ数学協会(Mathematical Association of America) 主催のパトナム数学コンペ(The William Lowell Putnam Mathematical Competition)のことです。まずは、大学が明日までに参加を表明して、参加学生名簿の最終提出が11月26日。
この数学大会、アメリカとカナダの大学同士で、競うんですけど、実質数学世界1選手権だと考えられています。だって、野球だって、アメリカの2リーグ(アメリカンリーグとナショナルリーグ)の覇者が争うのを何故かワールドシリーズ、って言いますよね。異論はあると思うんですけど、アメリカもかなり中華思想が入っているかも。ははは。
で、どのくらい凄い大会なのかと言うと、この大会で成績優秀賞を取った学生の中から、数学での最高の賞と考えられているフィールズメダル受賞者とか、ノーベル賞受賞者なんかが出てますからね。多くは、もちろん、そのまま数学者としての道を歩んで名を成しているとか。要は、世界一とは、言わなくても、『メチャクチャ頭のいい人は誰でしょう?』を決める大会とご理解頂ければ、と思います。
賞金も出ますけど、それよりは、名誉ですけね。オリンピックだって、ノーベル賞だって、賞金をもらう為に頑張ってる訳じゃあ、ないですもんね。まあ、受賞すれば、後からお金はついて来るんでしょうけど。一応、賞金も言っておきます。大学は、トップ5に選ばれると、$25,000 - $5,000で賞金が貰えます。1位がいくらで、2位がいくらで、と言う計算は、お任せします。数学コンペのお話ですから、このくらい頑張って下さい。
学生は、トップ5名に入ると$2,500づつ貰えます。これは、ちょっと嬉しいかも。ここで、選ばれた学生は、大学からの奨学金の支給にも繋がる道が続いているみたいです。頑張って下さい。アスリートばかり、いい目を見るのは、フェアじゃないですもんね。
出題される問題は、2回の3時間セッションで計12問。微積関数、線形代数、グループ理論とか中心の『そんなに難しくない!?』数学理論で解けるけれど、一筋縄では行かない引っ掛け問題。解答には、自由な発想が要求されるらしいです。まあ、一般人の筆者は、試してみる気も起こりませんけど。参加者は、問題を解くのがゲームみたいで面白いと言うタイプの人間みたいですね。インタビューを読みましけど。ちょっと、凄いなあ。でも、こんな人がいないと、新しい携帯電話も出来ないし、是非、楽しく頑張って頂きたいものかと。
(これは、去年の問題の1つ。どうですか、試してみますか?)
大学側も、この大会に参加して、名前をあげることが出来るので、とにかく、優秀な数学専攻の学生を選出して、出場します。各大学のオフィシャルチームは3名。ですが、このオフィシャルチームに参加する3人以外にも、個人戦で大会に参加することが出来ます。
2010年にカリフォルニア工科大学がチーム優勝を果たした時、大学の出場者の誰れも成績優秀の個人賞の獲得をしていませんが、チーム全体の点数が良かった。カリフォルニア工科大学の中での最高順位は、何と7位。マサチューセッツ工科大学は、個人賞の受賞者を2人も出しながら、団体戦は2位に甘んじました。要は、作戦負け。この2人は、団体戦の参加者では、なかった。つまり、個人戦のみでエントリーした人の方が、良い点数を取ったと言うことです。団体戦出場者の得点可能性の確率を、『計算し損ねた?』。残念。
ご参考までに、2000年からの団体戦5位に入った大学のリストです。それにしても、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学、大したもんです。毎年、必ず、5位まで入ってますもんね。いや、マサチューセッツ工科大学は、2002年は逃してますか。残念。それにしてもこのリスト、よく見ると面白い。たまにプリンストンが顔を出しますけど、他のアイビーリーグは、出てこない。それより、カーネギーメロン大学が結構、頑張っているのが分かります。州立大学でここに出て来るのは、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)と同じくカリフォルニア大学ロスアンジェルス校(UCLA)のみ。流石です。この2校成績優秀者を集めるので定評がありますもんね。
年度 |
1位 |
2位 |
3位 |
4位 |
5位 |
2000 |
Duke |
MIT |
Harvard |
Caltech |
Toronto |
2001 |
Harvard |
MIT |
Duke |
UC Berkeley |
Stanford |
2002 |
Harvard |
Princeton |
Duke |
UC Berkeley |
Stanford |
2003 |
MIT |
Harvard |
Duke |
Caltech |
Harvey Mudd |
2004 |
MIT |
Princeton |
Duke |
Waterloo |
Caltech
|
2005 |
Harvard |
Princeton |
Duke |
MIT |
Waterloo
|
2006 |
Princeton |
Harvard |
MIT |
Toronto |
Chicago
|
2007 |
Harvard |
Princeton |
MIT |
Stanford |
Duke
|
2008 |
Harvard |
Princeton |
MIT |
Stanford |
Caltech
|
2009 |
MIT |
Harvard |
Caltech |
Stanford |
Princeton |
2010 |
Caltech |
MIT |
Harvard |
UC Berkeley |
Waterloo |
2011 |
Harvard |
Carnegie Mellon |
Caltech |
Stanford |
MIT |
2012 |
Harvard |
MIT |
UCLA |
Stony Brook |
Carnegie Mellon |
2013 |
MIT |
Carnegie Mellon |
Stanford |
Harvard |
Caltech |
2014 |
MIT |
Harvard |
RPI |
Waterloo |
Carnegie Mellon |
2015 |
MIT |
Carnegie Mellon |
Princeton |
Stanford |
Harvard |
2016 |
Carnegie Mellon |
Princeton |
Harvard |
MIT |
Stanford |
2017 |
MIT |
Harvard |
Princeton |
Toronto |
UCLA |
過去5年間の個人受賞(トップ5人)の方を見ると、マサチューセッツ工科大学とハーバードの独壇場。もっとも、マサチューセッツ工科大学がぶっちぎりですけど。
年度 |
マサチューセッツ工科大学受賞者数 |
ハーバード大学受賞者数 |
2017年 |
5人 |
1人 |
2016年 |
2人 |
1人 |
2015年 |
2人 |
1人 |
2014年 |
5人 |
1人 |
2013年 |
4人 |
1人 |
ご参考までに、この同じ5年間に個人受賞者を輩出した他の大学も申し上げますね。たった3大学。カーネギーメロン大学、スタンフォード大学、そしてカナダのウオータールー大学。これだけです。ついでに申し上げると、この受賞者、名前から判断するとほとんどアジア人です。2016年に3人もの個人受賞者を出したカーネギーメロンは、全員がヨーロッパの苗字を持つ人たちなのが、光ってますけどね。アジア人は、理数に強いと言う神話、崩れませんねえ。
大学を選ぶ時に、数学を極めたいと思っているなら、ここに上がっている大学を選ぶのもありかもしれませんね。もっとも、どれも超難関大学ですけど。頑張って下さい。
大会は、12月1日です。どんな結果が出るのか、楽しみですね。どこの大学を応援しようかなあ。参加者の皆さん、ご検討を祈ります!