アメリカの大学の学生寮:ルームメート事情 | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

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双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

今日は、9月3日。レーバーデーです。アメリカでは、5月のメモリアルデーからこのレーバーデーまでが、夏のバケーションシーズンと考えられています。だから、今日で、夏は、お終い。

 

(ブラウン大学の寮の前は、父兄の車が数珠繋ぎ)

 

大学進学のためのAPテストのスケジュールに合わせて、新学期が早いカリフォルニアを除いて、ほとんどの州の学校は、レーバーデー明けから始まります。で、大学も同じ。それに合わせて、学生もキャンパスに戻って来ます。だから、レーバーデーの週末は、そんな学生でごった返しています。

 

どの大学にも色々な種類の寮があります。例えば、留学生を集めたインターナショナル寮。宗教を同じくする学生を集めた寮。黒人学生寮。アジア人学生寮。はたまたサイエンスフィクション好きの寮、なんて言うのまであったりします。秘密結社の様を呈する男子学生のフラタニティーと女子学生のソラリティ。こういう寮は、ギリシャ文字をもつ結社形式で、例えば、デルタ・ガンマなんて名前がついていて、全米の大学に広がっています。ここに入るのは、テストがあって、誓いを立てるイニシエーションなんていう儀式があります。入るのは、ちょっと覚悟がいるみたいですけど、入ると結束が固いので有名です。あっ、それと寮費以外に、メンバーシップ代も取られることにご注意。忘れるところでした。もちろん、無色透明な一般学生寮を選ぶことも出来ます。因みに、大多数がこれです。

 

私立大学は、普通1、2年の間は全寮制です。3年以上になるとオフキャンパスの学生の家でハウスシェアをするというオプションもあります。オフキャンパスと言っても、日本の大学生みたいに、電車で学校に通うなんて距離じゃなくて、歩いて行ける様な場所に住むことになります。州立大学は、予算が厳しくて、寮に全員を収容する余裕はないようですが。地元の学生は、車を買ってもらって、自宅通学というのも珍しくありません。州立の場合、寮に入っていても、3、4年になると追い出されることも多いようです。

 

知り合いのサンフランシスコ出身のUCLAの学生は、3年で寮を出ることになったのですが、如何せん、UCLAの辺りは、高級住宅街で家賃が高い!それで、3ベッドルームのマンションを8人の男子学生で借りて住んでいました。彼は、くじで外れて、悲しいことにリビングルームのソファーで寝ることに。他の住人の出入りに煩わされないように、お酒を煽って寝る、という悪癖を身につける羽目になったそうです。まあ、リビングで寝なくても、大学生は、飲むんでしょうけどね。これは、彼の言い訳。

 

新入生は、お互いを知らないので、どんなルームメートと一緒になるのかは、ちょっとしたスリルです。大学側も出来るだけ、不協和音を起こさない組み合わせにしようと、あらかじめ質問状への回答を求めます。例えば、早寝か、宵っ張りか?おしゃべりが好きか、寡黙でいたいか?パーティ好きか?他の友達を部屋に招くか?飲酒に抵抗はないか?はたまた、ドラッグは許容出来るか?なんて言うの迄あります。この質問状の回答で、大学側は、学生にペナルティを課そうと思っていないようですから、ご安心を。

 

(オーバーリン大学の一般学生寮)

 

ですが、大学がルームメートの組み合わせに苦労しても、なかなか上手く行かないようです。いくつか、実例を。

 

* 同じカリフォルニア出身で、アニメ好き、という理由で一緒になった二人の女子学生の場合。一人は、ヒスパニックで大学から授業料免除を受けている低所得者層出身。相手は、高級住宅街に住んで、ヒスパニックのナニーに育てられ、家には、ハウスキーパーが居る。まず、持ち物が違う。お金持ちの多いアイビーリーグでは、ヒスパニックの女子学生は、あまり人と交わることを好まず、夜な夜な3時間も時差のあるカリフォルニアの家族にスカイプ。これで、相手は、夜、煩くて寝られず、ますます険悪に。

 

*日本人留学生の場合。彼は、インターナショナル学生として、中国人と組み合わされたのだけれど、全く部屋で会話なし。この日本人学生は、帰国子女で、英語には不自由して居なかったので、片言の中国人学生とは、話弾まず。さらに、先ほどの女子学生と同じく、毎晩のように、中国にスカイプする声に悩ませられたとのこと。

 

*どちらも普通のアメリカ人男子学生の場合。この二人は、オンラインゲーム好き、ということでマッチアップ。ところが、一人は、生粋のオタク。もう一人は、アスリート。生活のリズムも、友達の層も全く異なり、会話なし。オタクの学生は、もう一人がいると、着替えも出来ないくらいシャイ。筋肉を誇るアスリートと一緒は、ちょっと無理かも。

 

*音大の女子学生の場合。バイオリン専攻の女子学生は、英文学専攻の学生と同室になったけれど、授業で会うこともないし、趣味も違うし、全く接点なし。彼女が部屋で練習することで、揉めて、決裂。結局、音大生は、ユダヤ人寮の一人部屋に引っ越して決着。ここで、思い切り練習出来るようになったとか。英文学学生の方は、部屋でパーティーが出来るようになってこれもご満悦。大学もどう言う理由で、組み合わせたんですかねえ。

 

新入生の皆さん、ルームメートと仲良く出来るといいですねえ。グッドラック!

 

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