あの日、

大切なオモチャを盗まれたことに気づいた瞬間、

胸が締めつけられるような思いがした。

 

そして、

それを取り返すために母とカトウくんの家に向かったのだ。







その日は友達とボクの家で遊ぶ約束をしていた。

 

 

 

そこに突然、

いじめっ子のカトウくんが割り込んできた。

 

 

 

「オレも行くわ!」

 

という一言に、

全員が絶望した。

 

断る勇気など誰にもなかった。



カトウくんは遅れてボクの家にやって来た。

 

 

 

そして、

勝手に部屋の中を物色し始めた。

 

 

 

遊ぶどころか、

ボクは同じ空間にいるのも辛くて、

ファミコンに集中しようとしたが、

全く手につかなかった。



すると突然、

 

「もう帰るわ」

 

と言い残して帰っていったカトウくん。

 

 

 

この行動に違和感があったが、

その後は友達と楽しく遊んだ。

 

 

 

そして、みんなが帰った夕方、

大切にしていたオモチャが無くなっていることに気づいた。



泣きながら母に訴えたボクに、

母は困った顔をしながらも付き添ってくれた。

 

 

 

カトウくんの家に向かう道中、

胸がドキドキしっぱなしだった。



ドアをノックすると、

カトウくんのお母さんが出てきた。

 

 

 

母が事情を伝えると、

カトウくんが部屋から出てきて、

ボクのオモチャを握りしめていた。



「また人のものを盗ってきたの!?」
 

カトウくんのお母さんは彼を叱りつけ、

平謝りしながらオモチャを返してくれた。

 

 

 

その瞬間、

安堵感が胸を満たした。



でも帰り道、

心の中には複雑な感情が渦巻いていた。

 

 

 

オモチャを取り返せた嬉しさの一方で、

自分ひとりでは何もできなかったという無力感が強く残っていたのだ。







大人になった今でも、

あの時の自分の情けなさを思い出すことがある。

 

 

 

でも、

あの経験を通じて

母の強さや、勇気を持って行動することの大切さを学ぶことができた。



あなたは、

大切なものを守るために勇気を出して行動した経験がありますか?

 

その時の気持ちは、

今のあなたにどんな影響を与えていますか?


ボクは今、

あの日の母の姿を思い出しながら、

少しずつ自分の力で行動できる人間になりたいと思っている。