側溝に消えていくミニ四駆を見つめながら、
それでも次の改造を楽しみにしていた。
あの頃のボクは、
たとえ走らせる場所がなくても、
想像の中で何度でも勝利を掴んでいた。
小学校2年生の頃、
ダッシュ四駆郎という漫画やTVアニメが大ブームだった。
ミニ四駆を中心としたストーリーだ。
ボクもその流行に乗り、
ミニ四駆に夢中になった。
けれど、
社宅アパートの狭い和室で暮らすボクの家には、
ミニ四駆のコースを置けるスペースなどなかった。
友達がコースを持っていると聞くと、
お金持ちだなと素直に羨ましかった。
お小遣いで買ったミニ四駆を改造し、
道路や側溝で走らせるのがボクの日常だった。
タイヤを交換し、
モーターを強化し、
少しでも速くなるように工夫を凝らした。
でも、
側溝に吸い込まれるミニ四駆を見つけるたびに、
「専用のコースがあればなぁ」
と思っていた。
それでも、
あの頃のボクは楽しんでいた。
想像の中で自分のミニ四駆が優勝する姿を描きながら、
改造に夢中になっていた。
振り返れば、
あれほど熱中したものは他にないかもしれない。
そんな自分を思い出すと、
少しだけ安心する。
ボクは、
「自分は冷めた人間だ」
と勝手に思い込んでいた。
けれども、
実はそんなことはなかったのだ。
いつの間にか、
自分で自分にレッテルを貼っていたことに気づいた。
「冷めた人間」というレッテル。
それが、
自分の可能性を狭めていたのかもしれない。
レッテルが理想の自分に繋がるものであればいい。
でも、そうでないなら、
それは自分自身を縛るだけのものだ。
あなたは、
自分にどんなレッテルを貼っていますか?
そのレッテルは、本当に必要なものでしょうか?
あの頃、
想像の中でミニ四駆を走らせていたボクは、
何の制限もない世界を楽しんでいた。
大人になった今こそ、
もう一度その感覚を取り戻してみたいと思う。
レッテルを剥がして、
自分の可能性をもっと広げるために。

