ランドセルを背負い、
小学校の教室に向かう自分を想像するたびに、
胸がドキドキした。



早く小学生になって、
お兄ちゃんたちのように勉強したい。
そんな気持ちでいっぱいだった。







名古屋の社宅アパートでは、
小学生のお兄ちゃんたちがとても格好良く見えていた。

木登りや川遊びを教えてくれる姿に憧れて、
自分も早くその仲間に入りたいと思っていた。

だから、
小学校入学はボクにとって特別なイベントだった。







入学式の日、
母と手をつないで学校に向かった。



教室に入ると、
黒板には大きな文字で『1年2組』と書かれていた。



その文字を見て、
『これからここが自分の居場所なんだ』と感じ、
胸が高鳴ったのを覚えている。



宿題をすることさえ楽しかった。



学校の授業で習ったことを復習するたびに、
自分が少しずつ成長している気がした。



勉強机に座り、
ノートに鉛筆を走らせる自分の姿が、
幼稚園児の頃に憧れていた”お兄ちゃん像”に

近づいたように思えたのだ。



それでも、
入学当初は不安も大きかった。



知らない人たちの中に飛び込む怖さや、
クラスに馴染めるのかという心配が心の片隅にずっとあった。







ドキドキとワクワク。



この2つの感情は、
全く違うけれど、
いつもセットでやってくる。

 

 

新しい世界に飛び込む不安と、
その先に待っているかもしれない楽しみ。



この両方があるからこそ、
人生は面白いのかもしれない。







大人になってからも、
新しいことに挑戦するときには必ず不安と期待が同居する。



でも、
そのワクワクを大切にすることで、
未来が少し楽しくなるんだと感じている。







大人になったいま、
ドキドキとワクワクを感じる日々を送れているだろうか。



小学校入学のときに感じたドキドキとワクワク。



あのときの感情を思い出しながら、
これからも新しいことにチャレンジしていきたい。