子どもの頃、外の世界が少し怖かった。

でも、自分の妄想の世界ではどんなヒーローにもなれる。

だからなのか、一人で遊ぶのが好きだった。

お気に入りのミニカーやブロックで遊びながら、自分だけの物語を作って楽しんでいた。

本を読めば物語の世界に入り込み、本の主人公や戦隊ヒーローになった気分で、自分が活躍する世界を想像した。

寝る前はいつも、ヒーローになった自分を妄想する。

それは、気が小さくて外の世界が刺激的すぎたボクにとって、自分が無敵になれる特別な時間だった。

でも、思春期になると話が変わった。

誰かと一緒にいないと不安になるようになり、一人でいることが好きではないんだと思ったこともある。

振り返れば、それは思春期特有の不安定さから来るものだったのかもしれない。

自分がどうしたいのか、どうありたいのか分からず、周りの目ばかり気にしていたあの頃。

大人になって改めて思う。

一人でいることや妄想の世界に浸ることが、ボクにとっては大切な時間だったのだと。

それは、今も変わらない。

生まれつきの性格と育った環境。

この二つを分けて考えることで、自分がどういう人間なのかが少しずつ分かってくる。

妄想の世界が好きだった子どもの頃の自分も、思春期の自分も、今のボクの一部だ。

自己理解を深めること。それは、過去の自分を受け入れ、今の自分をもっと大切にするための第一歩だと思う。