撤去されにくいとしてた、僕の下北沢での駐輪ポイントが危うい。そこの寂れた百貨店は閉店するそうである。僕が下北沢で路上駐車するところは3つ。まずここは最も駅から近いが、撤去の可能性がなくはない。最も遠い、区営施設の駐輪場の拝借は安全ではあるが、いかんせん駅から歩く。その中間にあるスーパーの駐輪場は閉店時間が早い。できてから1年か2年か、割と新しいそのスーパーの存在が閉店に追いやられた原因ではないかとにらんでいる。遠因であることには違いない。今後のことはまた年が明けて目の当たりにしてから考えようと思う。
クリスマスイブは一人で映画がここ3年の儀式になっていたが、今年はソウウツシニアたっての願いで食事に出かけた。家族サービスは大切である。以前来た時は給仕や客を見て飽きなかったが、今日もまた楽しませてくれた。しかし警備員と揉め、その際の対応を客観的に見てブンレツさんとシニアと僕の性格が如実にあらわれ、それはそれで面白かったが、後味が悪い。

多摩川で焼き芋をした。芋以外にも餅やら肉やら様々なものをアルミホイルに巻いて、舌鼓を打つ。さほど寒くなく、夜までの余興程度のつもりだったが有意義な昼だった。

場所を荻窪に移してライブハウスのルースターへ行き、一期JAMダンサー陣が参加しているダンスのワークショップの発表会を兼ねたイベントを見る。ジャンベも披露して、それを体感した僕たちはそれに負けまいと火がついた。背中はそう遠くない。

動画サイトを漁っているうちにたどり着いたのが鳥居みゆきだった。女性のピン芸人で、狂気じみた芸風がまず度肝を抜く。というのもルックスが抜群に良いことからのギャップがすさまじいから。ネタは面白くないが、同じ事務所の芸人と絡んでのトークは神がかっている。ネットでは有名らしいが、紙一重である喋りは反道徳的な側面が垣間見え、テレビ向きではない。どこまでが素なのかも分からない。正気と狂気、フィクションとノンフィクションの境を壊して際にいる。完封した次の登板に初回ノックアウトを食らうような、捕手が流動的なチームだと全く機能しないような、そんな投手に例えられる。好きな芸能人、これからはいの一番に彼女を挙げよう。

ダビのワークショップが終了して、しばらくスタジオで叩いていなかった。忘年会があるというのでその前の、最初に師事した山崎剛司氏のWSに参加する。そのままいつもの居酒屋へ。個人的に今年は忘年会がこれだけだった。終電を逃して車で送ってもらいしな、恋の話になって語る。

時として話しかけてくる霊だったが、声が低くて饒舌ではなく聞き取れなかった。それが今回、初めて何を言ったことが分かった。「東京に来て3年」と、それだけだったが。江戸っ子ではないと判明した。それ以外は謎のまま、というよりも、上京したという情報は別段欲しくはなかった。むしろ彼のことはいまだ素性が知れないといっていいほどのセリフ。

コーヒーコロネをブンレツさんと二人で食べていた。共に頭からほお張る。クリームがぎっしり詰まって、それが漏れないようにブンレツさんは人差し指を尻に押し当てながら、しかし強く押さえつけたがために指がコロネにめり込んでいる。食べきる前に貫通して、結果、決壊した。茶色いコーヒークリームはさながら、あれだ。

信号のない十字路でミラーに軽トラックを視認し、向かいからも乗用車が来ていたので僕は自転車を止めた。軽トラックはスピーカーがついているようで「こちらは廃品回収車です」という声が聞こえる。「どんなものでも引き取りゅ、引き取ります」噛んでいたので運転手がマイクで喋っているのと思いきや、すれ違いざまに見た彼はタバコを吸っていた。録音しなおせばいいのに。


さらに「いらなくなったパソコン、ラジカセ、洗濯機、冷蔵庫、パソコン」と2度、パソコンを挙げた。よほど欲しいのかと。徐行するその廃品回収車を、僕が抜き去るまでに時間を要したのは突っ込みどころ満載の録音テープが1周するまでかかったから。

車を貸してくれと友人に頼まれ、どうやら彼はそれに乗って人を殺しに行ってきたらしい。殺人補助罪とか何とか、僕も加担したとされるのが嫌で彼に自首する説得するという夢を見た。彼のためを思ってというより、保身のためだったように思う。


後日、しばらく連絡をとってなかった彼に電話した。元気そうだった。ただ、彼から借りていたものがあったことをすっかり忘れていて、それを返せとせがまれた。