多摩川で焼き芋をした。芋以外にも餅やら肉やら様々なものをアルミホイルに巻いて、舌鼓を打つ。さほど寒くなく、夜までの余興程度のつもりだったが有意義な昼だった。
場所を荻窪に移してライブハウスのルースターへ行き、一期JAMダンサー陣が参加しているダンスのワークショップの発表会を兼ねたイベントを見る。ジャンベも披露して、それを体感した僕たちはそれに負けまいと火がついた。背中はそう遠くない。
ダビのワークショップが終了して、しばらくスタジオで叩いていなかった。忘年会があるというのでその前の、最初に師事した山崎剛司氏のWSに参加する。そのままいつもの居酒屋へ。個人的に今年は忘年会がこれだけだった。終電を逃して車で送ってもらいしな、恋の話になって語る。
時として話しかけてくる霊だったが、声が低くて饒舌ではなく聞き取れなかった。それが今回、初めて何を言ったことが分かった。「東京に来て3年」と、それだけだったが。江戸っ子ではないと判明した。それ以外は謎のまま、というよりも、上京したという情報は別段欲しくはなかった。むしろ彼のことはいまだ素性が知れないといっていいほどのセリフ。
信号のない十字路でミラーに軽トラックを視認し、向かいからも乗用車が来ていたので僕は自転車を止めた。軽トラックはスピーカーがついているようで「こちらは廃品回収車です」という声が聞こえる。「どんなものでも引き取りゅ、引き取ります」噛んでいたので運転手がマイクで喋っているのと思いきや、すれ違いざまに見た彼はタバコを吸っていた。録音しなおせばいいのに。
さらに「いらなくなったパソコン、ラジカセ、洗濯機、冷蔵庫、パソコン」と2度、パソコンを挙げた。よほど欲しいのかと。徐行するその廃品回収車を、僕が抜き去るまでに時間を要したのは突っ込みどころ満載の録音テープが1周するまでかかったから。
車を貸してくれと友人に頼まれ、どうやら彼はそれに乗って人を殺しに行ってきたらしい。殺人補助罪とか何とか、僕も加担したとされるのが嫌で彼に自首する説得するという夢を見た。彼のためを思ってというより、保身のためだったように思う。
後日、しばらく連絡をとってなかった彼に電話した。元気そうだった。ただ、彼から借りていたものがあったことをすっかり忘れていて、それを返せとせがまれた。
