ブンレツさんが携帯電話を使いこなしてきた。著しく進歩している。つい最近まで僕にメールの代筆を頼んでいたのに、今では絵文字まで駆使する。彼女からの返信といえば「了解」の2文字が定石だったのが、親指を立てたマークが入るようになった。そしてその返信速度もアベレージ3分を切る。何が彼女をそうさせたか。尋ねても明確な答えは返ってこない。
鼻毛への執着心が尋常でない。以前から関心を寄せていてがエスカレートしてきた。病的といっていい。抜くのは痛い。機械を用いるのは怖い。よって、小さなハサミで切るのだが、週に4度はその刃を鼻に入れている。気がつけば鼻をほじってチェックをしている。無心なので公共の場でやっていることもしばしば。こうも頻繁に切られていては鼻毛たちもたくましくなっており、いつか僕が彼らに興味を失った時、晒される姿はさぞ太くて多いだろう。

ダンス発表会 舞台に立つ日の本番前の気分は、前日までの緊張感と終了後の安堵感との中間に位置し、それに高揚もブレンドされた絶妙なハーモニーが僕は好きだ。やるだけのことはやって後は待つ身という覚悟を、控え室で味わう。若干、優遇されている身分も手伝っているかも知らん。

キャパシティが1000人は過去最高であり、これを上回ることは今後ないだろう。子供たちのダンス発表会の伴奏としてジャンベを担ぐ。客が多すぎたこと、個人的な見せ場がなかったこと、この2点により緊張はしなかった。リハーサルでは散々の出来だったが、本番は及第点を与えられたと思う。

引き続きジャグベのリズム。ジャンベよりもドゥンドゥン系に重きを置いた。とりわけ最も複雑なリズムのサンバンを叩く。

 RXRRXRXRRXRXRRXR
 MXXDXDXXDXDXXMXX

Rが左手で鳴らすベル、DとMは右手の太鼓でそれぞれドラムとミュート、Xはゴーストで叩かない。難しい分、覚えてリズムに乗れば楽しい。撥を持つことによって、手で叩くよりもコンマ数秒遅れる。このタイムラグを克服することからドゥンドゥンは始まる。と、みている。
学生時代の夢はよく見る。戻りたいのだろうか。ただ、当時と同じ設定ではなく、教室や学友は初めて見るものばかり。

コミュニケーション学のような授業で、教授が「この中で好みの人に告白をしろ」という主旨の発言をした。すぐさま行動に移す者もいる中、僕はとりあえず静観を決め込んだ。ねるとんの要領で、一人を複数が狙ったらその一人に選ぶ権利がある。目星をつけた人には既に何人かが周りを囲んでいた。なるべく競合人数の少ないところを狙おうとする辺り、自分がいかに相対的が分かる。非道徳でナンセンスな授業だが、省みることができた。

利点というわけではないが、頻繁に金縛りを経験するようになってから眠っている状態と起きている状態の境目が分かるようになった。金縛りにかかる時は「ああ、この眠りはダメだな」と、道がないことを察知できる。そして引き返すには一旦完全に眠気を覚まさなければならない。いうなれば外出して目的地までの道中で忘れ物に気づき、家へ戻る状況。

金縛りは寝入りばなでなく、寝起きに来てくれたらいいのにと、常々思う。目覚めは悪いが、否が応でも起きなければならないだけに二度寝の確率が減るだろう。目的地のほうが近いのであれば、そっちで買う。

ダンス発表会に向けての2回目の合同練習。とはいってもほとんど見学だった。リズムを変えるタイミングを掴むため、振り付けを覚えようとする。詰めなければならないところは多々ある。踊る子供たちは本番と同じ衣装を着ていた。アフリカンを基調として気合が入っており、僕らも格好に気を配らなければならなくなった。
渋谷ROCK WESTで叩いた前回、出来としては満足のいくものではなかったが、オーガナイザーには気に入ってもらえたようで個人的にオファーが来た。オールがきついという懸念よりも、指名を受けたことを意気に感じ、これを快諾する。ジャンベ仲間を一期JAMから2人誘い、前日に軽く練習して今日を迎えた。

クラブジャズやハウスなど、DJの趣向はさまざま。適当に叩いているうち、酒の力もあるだろうが、のってくるとフロアも暖まった気がした。評判も上々でレギュラー化するかも知らん。