小城羊羹 | じゅぽなんのブログ

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小城(おぎ)羊羹です。佐賀県の村岡総本舗が作りました。東京のデパ地下で買えます。

この風貌がクラシックです。モノクロームなのですけど、写真て見ると、カラーかもと思わせます。うふふ、私はだまされないぞ、と誓いを立てます。

紙を開けると、下には、経木(きょうぎ)で包まれたブツが。それをほどくと、中からは、竹皮に包まれたブツが。このあたりが相当クラシック。その中には、羊羹があります。横幅は4センチ位ですかね。厚み2センチ位。包丁で切ると、ザクザクと音がします。表面の砂糖が結晶化していて、それが包丁で崩れる音です。

あまり経験しない事柄ばかりなので、モノクロームの表紙を開くところから復習。全部クラシック。まるで江戸時代か明治時代にタイムスリップしたかのようです。

さて、目前の二切れの羊羹に対峙します。普通の羊羹に見えますが、表面の砂糖の結晶が独特の雰囲気をかもしております。

味は、お上品な羊羹。いわゆる本練りの、寒天のおいしさ、美しさを全面に出すタイプのものとは少し違う趣き。でも、独特の風味です。

甘さも気のせいか、丸みを帯びたかのようなややマイルドな甘さ。ややソフトな寒天度。

舌に甘さが残る間に渋茶を一服。

ふぅ… ふと目を上げて、茶室の床の間の掛軸を見ると、水墨画で描かれた滝からは、水煙が上がって幽玄なる風景が、私の心に清涼、平安、静謐をもたらしてくれます。名画です。さすが狩野玄悠… えっ?そんな画人はいない?ここは茶室ぢゃなくて散らかったリビング?床の間はない?熱中症ゆえのまぼろしかも知れません。いつものただの勘違い、ホラでございました。m(_ _)m

ま、という位に、こだわりの強い羊羹でございました。味そのもので言えば、「やらと」ぢゃなくて「虎屋」の夜の梅のほうがおいしいです。でも、包装全体のしつらえの豪華さ、見た目、クチに入れるまでの期待感、高揚感は素晴らしいです。小城羊羹もなかなかです。

なお、小城羊羹とは地元の菓匠の製品に使う言葉だそうで、村岡総本舗の専用の言葉ではないようです。