私は移植を10回以上繰り返しても出産できなかった頑固な長期不妊ということは疑いようのない事実。
移植の回数が12~3回を過ぎたあたりから数えるのもめんどくさくなってしまい、実際何回目の移植で出産できたのかはわからない。
移植を何度も繰り返しても出産できなかったつらく長いトンネルを通ってきた私が思う長期不妊の人に伝えたいこととは、「あたまの中を不妊治療で100%にするな」ということ。
もしかすると不妊治療以外の悩み事でも同じかもしれないけど、ひとつの悩みであたまの中がいっぱいになってしまうと、「病む」しか道はない気がしている。
私はずっと仕事をしていて、途中で不妊治療のために休職をしたけど、仕事をしているときは仕事のことと不妊治療のことであたまの中をうめてしまい、休職をしたときは100%不妊治療でうまっていた。
不妊治療でお金がかかるため、習い事などをするお金を出したくない、という思いも若干あったかもしれない。
友人と遊んだりはしていたので、ある程度の息抜きはしているつもりだったけど、結局それも一時的な気分転換でしかなかったと思う。
その時はとても楽しくてスッキリするものの、頭の中は「子供がいたらこんな遊び方できないよな~」と、子供のいない自分を正当化しようとしたり、「もしかすると今回の移植で妊娠してるかもしれないからお酒はやめておこう」って考えてしまったり、結局不妊治療から離れられないでいた。
それに、子供がいる友達と遊んでも結局子供の話題が出て辛いし、あえて避けると「避けちゃったなぁ」と思うし。
どうしても切り離せない。
最近になって、昔やっていたピアノやテニスをもう一度習い始めたら面白いほど視界が一気に広がり、「私は7年ぐらい不妊治療のことしか考えていなかったんだ…」と愕然とした。本当に愕然という言葉がぴったりだったと思う。
あれ?世界は広いぞ?となった。
20代のころはハツラツとしていた自分が、30代はなんか暗かったし自分に自信も失ってたな~とずっと感じていて、それは不妊治療のせい(子供ができないせい)だと思っていたけど、今思えば「不妊治療のことしか考えてなかったから」なんじゃないかと思う。
もし仕事でものすごく認められて周りからも褒められたりしていたら、仕事で自信が持てるはずだからそこまで病むことはなかっただろうけど、残念ながら仕事では至って普通で特に怒られることも褒められることもなく、時々勝手に周りと比較して「私なんてこの会社に必要ない…」とネガティブになっていた。
まさに、不妊治療でネガティブになり自信を失う→仕事でも自信を失う、のネガティブループに突入していた。
頭の中に仕事と不妊治療の2つしかないのに、その両方がネガティブになってしまっているんだから、病んで当然だと思う。
そこに、ピアノやテニスのようにただ単純に楽しい!と思えることを入れ込めばよかったと心から思う。
他人と比較することなく、過去の自分との比較しかない世界。
周りが自分より上手だろうが全く関係ない。
ただ、自分が楽しいからやる、それだけ。
そうすれば不妊治療のことはあたまの中の4分の1になったかもしれない。
そうすればあんなに病まなかったかもしれない。
あわよくば、不妊治療のストレスが減ってもうちょっと早く妊娠できてたかもしれない。
もしかすると、子供を産めた今だからそう言えるのかもしれないけど、だからこそ気づけた今、昔の自分に伝えたいし今長期不妊で辛い思いをしている人がいれば伝えたいと思う。
どうか、頭の中を不妊治療でいっぱいにせず、なんでもいいから新しいことを始めたり、習い事をしてみたりしてほしい。