前夜19時発のナイロビ発モヤレ行きバスに乗る。
エチオピアピアへ続く道はすこぶる良道で、快適だ。
検問などがあり、ぐっすりとはいかないが眠ることが出来た。
かつては家畜強盗が出るので、絶対通ってはいけないなどと書かれていたが、今はそんなこともなさそうだ。
確かに家畜はたくさんいた。
特にロバ、ヤギが街中にまで放し飼いにされていた。
一見、野良ロバ、野良ヤギに見えるのだが、持ち主がいるのだろう。
到着場所はケニア側のモヤレで、ボーダーまでは数百メートルの距離を歩いて行く。
間違えてケニア側の建物に入ると、200メートルほど先のエチオピア側の建物で手続きをしろという。
特に緊張した様子もなく、手続きする人も3、4人ほどしかいない。
出国日まで5日しか無かったが、アディスアベバで延長してもらえば、大丈夫だろう。
係官にビザを見せる。
駄目だった。
出国日が近いから駄目だ。電子ビザを取り直せという。
Google翻訳を使い、ケニアのエチオピア大使館で係官にアディスアベバで延長する提案を受けたこと、e-visa team にメールで相談しているが、未だ返答がないことを必死で説明した。
するとそれを読み、アディスアベバで手続きを必ずするんだな、しないと罰金だぞと係官。
やった、通れる。
そう思った瞬間、係官が何処かへ電話している。
次の瞬間、ボスが期間が短いので駄目と言っていると係官。
ビザを取り直せ、サイバー(ネカフェ)へ行けと言う。
こちらもサマリーマンを経験した身、ボスが駄目という限りは目の前の係官をいくら説得したところで無駄なことはわかっている。
82ドル、正直、金も惜しいが、明日にはビザが発給されると言う。
ビザの有効期間内でも手続きできる大丈夫だと。
これ以上食いさがっても仕方ない。
元きた道を、引き返す。
係官の言葉を信じ、サイバーでビザの手続き、料金の払い込みをしたのだった。
それが悪夢の始まりだった。