今回ご紹介させていただきますのは、こちらです⬇️




泡坂妻夫さんの、「亜愛一郎の狼狽」です。


主人公の亜愛一郎(苗字が亜、で下の名前が愛一郎です🤗)が、たまたま出くわした色々な事件をバッサバッサと解決していく短編集です。第一話から第八話までの八篇が収められていて、この第一話「DL2号機事件」が泡坂妻夫さんのデビュー作なんですね。


とにかくこの主人公が、全くつかみどころのない男で、今まで読んできたミステリーに出てくる探偵役にはあまりないタイプですね。カメラを基本いつも持ち歩いてて、雲や虫や化石などをパチパチ撮ってるんですが、その彼の身近なところで事件が起きる。捜査にあたる警察や事件関係者の中に、なんとなく紛れ込んでて、彼らのやり取りをそれとなく聞いているうちに事件の真相を見破ってしまうという💦


女性がポーっとしちゃうような端正なマスクにスタイルなんですが、運動神経ゼロで、いつもオドオドしている、でも誰よりも早く事件を解決してしまう。真相に到達した瞬間には、目が白目になるっていうのも、変な特徴ですね。


謎もしっかりしてます。短編なので短いお話ですが、解決の伏線はたくさんちりばめられていて、ひとつひとつがかなり完成度の高い作品だと思いますので、本格好きの方でも十分納得できます。


文章の持つ雰囲気も好きですねえ。なんか落語を聞いてるような気分になります、テンポもいいし😃


あと、超蛇足ですが、八篇全てのお話に、必ず登場する「三角形の顔をした洋装の老婦人」というエキストラがいます。必ず、どのお話にも一瞬登場するんですが、物語の本筋には全く関係ない人です。僕なんかは、第四話くらいからこの老婦人を楽しみにしてました(^_^;)


さて、いかがでしょうか、機会がありましたらぜひ✨✨✨