今回ご紹介させていただきますのは、コチラです⬇️





島田荘司さんの、「写楽  閉じた国の幻」です。


文庫で上下巻となる大長編です😅


葛飾北斎の研究を生業としていた佐藤貞三は、自分に非のない理由で職を追われ、さらにビルの回転ドアの事故により一人息子を失い、妻に捨てられる。自暴自棄になっていたところに片桐という美人の大学教授と出会い、学問の世界で長く謎とされてきた東洲斎写楽の謎について調べることになり……


こういう出だしです。


最初に言っちゃいます。




圧倒されました🤣🤣🤣


江戸時代中期、たった10ヶ月という短期間だけ活動し、忽然と歴史から姿を消した世界三大肖像画家、写楽。いつどこで産まれ、いつ死んだか。住んだ場所、身分、本名等個人的な情報が一切残っていない謎の人物。


日本だけでなく世界でも研究者の多い写楽とは一体誰なのか。これまでに出されてきた様々な説も作品の中では紹介されますが、そういった諸説の中に正解はあるのか、ないのだとするならどこに真相はあるのか❓


作品の中で、佐藤は片桐教授をはじめたくさんの人の協力を得て真相に挑みます。


江戸時代の、風俗史、美術史その他の数多くの専門家がこれまでに挑み、そして最終的な結論が未だ出てない問題に、(言い方は悪いですが)いち推理作家が挑むというその勇気がまずすごいと思うんですよね。でも、逆に言えば、写楽をめぐる謎というモチーフはやはり推理作家さんという立場からだとそれだけ魅力もあるんでしょうね。高橋克彦さんや、松本清張さんなんかも写楽を扱った作品があります。


最終的に、佐藤はひとつの結論を出しますが、その結論に至るまでの論理的展開が、これはもう完全にミステリー小説そのものです。あたかも殺人事件の犯人を暴くように写楽の謎に迫っていく過程が、ホントにワクワクしてドキドキして、これかなりの長編なんですが、たまたま時間もあったので一気読みでした😂


いかがでしょうか、機会がありましたらぜひ✨✨✨