先週も今週も発達障害が見逃されて気づかれずに(正常に)成長するという人達に騙された人達がやってきました。

 

 彼らはいつになったら気づくのでしょうか。一生気づかずに嘘をつき続けるのでしょうか。なぜ自分で調べてちゃんと勉強しないのか。なぜ、ルールを守らないのか。そこまでして優越感に浸りたいのでしょうか。とまらない自己顕示欲でしょうか。私ってすごい、と気持ちよくなっているのでしょうか。

 

 そもそも彼らは精神科が何をするところなのかも理解していません。

 

 精神障害になると認知が障害されます。精神科はその認知を改善するところです。そして、少しでも認知の障害が軽くなるように重症化しないように治療や介入、支援をします。精神障害になると社会的な能力、社会機能が低下します。その機能の低下が少しでも軽くなるように、さらに低下しないように治療や介入、支援をします。それが精神科で行うことです。

 

 しかし、彼らはそういった精神科が本来治療するべき症状を、生まれつきの障害が見逃されていたものだ、気づかれなかったものだ、成長発達の偏りだ、発達の特性だ、などと言って、治せるものでないから受け入れるしかない、認めてあげないといけない、などと言って、患者さんが本来精神科で受けるべき治療が受けられなくなるように全力で邪魔をしているのです。

 

 彼らは小さい頃の話を聞いても障害児であったという話はでてこないので、自閉症の程度が軽くて見逃されていたとか、滅茶苦茶な理由をつけます。幼い頃に療育の必要性は全くなく、小学校に就学していたのに、実は自閉症だったと平気で言い続けます。自閉症は“
実は”なんて軽々しく言えるような障害ではありません。

 

 幼い頃に正常に成長していた自閉症、一体どんな子供だったのでしょう。自閉症の療育については長年たくさんの研究がなされて進歩はしていますが、幼い頃の療育に膨大な時間を費やしても正常にはなりません。自閉症の療育をするセラピストや親も一緒になって応用行動分析による療育を頑張っても、出来るようになることには限界があります。

 

 しかし、彼らが自閉症だったという症例は、そんな療育を全く必要としていなかった人ばかりです。親が気づかなかった、というより、療育しなくても、目をあわせたり、にっこり笑い返したり、言葉を自然に覚えて会話ができるようになったり、相手の表情をみわけたり、自閉症の子供であれば放っておいたら全然できるようにならない、もしくは一生出来るようにならない基本的なことが、自然に成長していったわけですから誰も自閉症と思わなかったわけです。

 

 療育の必要性が全くない自閉症。本当の自閉症の幼児を育てているご家族は想像できるでしょうか。馬鹿にしていると思いませんか。

 

 高機能自閉症というのも、こういったことが出来るわけではありませんが、彼らは知的能力が正常だったから気づかれなかったとわけのわからないことを言います。自閉症というものは知的能力が正常域であっても、こういった基本的なことが自然に成長していかないのです。会話も自然には出来ません。知的能力が正常で、自閉症としての遅れもみられていないのなら、自閉症とは全く関係なく、正常な子どもだったということです。

 

 彼らはなぜこんな明らかな矛盾を強引に主張するのでしょう。

 

 彼らは患者さんに最初に会った頃は軽い症状なので発達障害とは言いません。時間が経つにつれて、症状が強くなってくると行動や対人関係や社会性に問題が出てきますから、発達障害かもしれないといいます。でも子供の頃のはなしを聞いても、学校の通知簿を持ってきてもらっても、子供の時に自閉症やADHDだったという根拠は出てきません。

 

 そこで、精神障害の専門的なことを全然勉強しようとしない彼らは、WAIS やWISCの知能検査のばらつきが発達障害だと信じ込んでいますから、知能検査を強引にでも受けさせて、知能検査のばらつきが発達障害の根拠だと言い張ります。

 

 親や家族がいくら子供の時に障害児ではなかった、普通の子だったと言っても、知能検査の結果がそうなっているのだと自分たちが間違っていることに気づかず、親の気持ちを傷つけてでも発達障害という思い込みを押し付けます。

 

 彼らは、小さい子供の頃に自閉症だったとかADHDだったとかいう事実はみつからないと、軽い発達障害だとか、広汎性発達障害だとか、発達障害傾向だとか、グレーゾーンだとか、大人の発達障害だとか言って誤魔化します。もちろん診断基準や診断の基本的なルールは無視です。もとはおとなしい子供だったとか、社交的だったとか、習い事やクラブなど普通にやっていたこととか、いかにも障害児でないような事実はなかったことにしていきます。これが自称発達障害に詳しい人達のやっていることです。

 

 さらに精神疾患が進行して問題が大きくなってきて、認知機能障害は重くなり社会機能が低下してくると、知能検査の結果も悪化しますから、軽い精神遅滞だとか言います。普通学級で小学校を卒業したことや普通学級で中学校や高校を卒業したこと、普通に就職していたことさえ生活歴から消してしまい、子供でもわかるような嘘を上塗りしていきます。

 

 彼らはCAARSなどのADHDのテストでリトマス試験紙のようにADHDが診断出来ると信じ込んでいますから、子供の頃にADHDではないのが明らかな人にこんなものをやって軽いADHDだったとか言い出します。

 

 彼らはAQ-Jという自閉症のテストもリトマス試験紙のように、見逃されていた自閉症が診断出来ると信じ込んでいますから、子供の頃に正常に成長していた人にこんなテストをやって、軽い自閉症だったとか言い出します。

 

 しかし、幼少の頃に自閉症だったという事実は見つかりませんから、こだわりが強かったとか、1人遊びを好んだとか、自閉症でない普通の子供でも当てはまるようなことを病歴に適当にくっつけます。しかし、実際には普通に幼稚園や保育園に通っていた子だったのです。

  

 こうやって精神障害の進行と共に、発達障害の傾向、発達障害のグレーゾーン、軽度発達障害、広汎性発達障害などと言われてどんどん病歴に嘘が付け加えられていきます。そして最終的には自閉症とADHDと知的障害の合併にされてしまいます。

 

 自閉症とADHDや知的障害が合併すると、小学校に普通学級で入ることは出来ません。小学校に入る前に就学相談をして、特別支援学級で過ごすか、あるいは特別支援学校に入るかという相談をすることになります。

 

 しかし、彼らの妄想の中では、自閉症とADHDと知的障害の合併つまり、発達障害の中で一番重い状態の子供が親や先生にもそんな障害児だとは気づかれずに就学し、そのまま中学や高校、専門学校、大学に進学し、就職してしまうのです。

 

 そこまで至ると生活歴や職歴、学歴、病歴はもう支離滅裂になってしまいますので嘘で誤魔化してもうほとんど元の形が分からないくらいになってしまっています。あるいは故意にほとんどの病歴を書きません。

 

 子供の時に普通に小学校に入学していた人が精神病になって、こういう人達のせいでちゃんとした治療が受けられずに時間が経ち、認知機能や社会機能が相当低下した段階で、重度の知的障害、重度の自閉症といった診断がつけられている人もざらにいます。

 

 彼らの妄想の中では、生まれつきの障害とは、小さい頃にはあらわれず、大きくなってからはっきりと現れて、悪化すれば入院となり、再発を繰り返し、どんどん障害名が加わり、重症化していくものなのです。(それは一般的な精神障害のことですが)

 

 彼らは子供の頃のことなんてまるで関心がないのです。嘘で塗り固めればすむことなのです。嘘で塗り固めても自閉症やADHD、知的障害の病歴にはならず、矛盾だらけで嘘がばればれなのです。それくらい彼らは自閉症やADHD、知的障害のことを理解していないのです。

 

 究極の嘘は、子供の頃のことを全く書かないということです。最近ほんとうによく見かけます。精神症状が何歳頃から始まったかという一般の精神障害の病歴を書いて、病名だけ自閉症やADHD、知的障害にするのです。確かに病歴を捏造する必要はなく、嘘は書いていないぞというつもりなのかもしれませんが、診断の根拠が全くありません。結局、真っ赤な嘘です。

 

 本当に悪質で、このような患者さんを見るたびに本当に気分が悪くなります。

 

 嘘は一つつけばどんどん嘘をつき続けなければいけません。こうやって嘘をつき続けて精神障害の患者さんの人生で一番大切な時間やチャンスを奪う、自閉症やADHD、知的障害への偏見を世間に広げて本当の自閉症やADHD、知的障害の子供を育てている家族を傷つける、一体何が嬉しいのでしょう。よくこんなことで大きな顔ができるものです。