みなさまこんばんはてへぺろ

 

 本当にひどい日本の精神科。こんなのは医学でもないんでもないと思いつつ毎日患者さんと向き合っています。なぜここまで精神疾患の患者さんや生まれつきの障害が理解されないのでしょう?偏見だらけです。生まれつきの障害が見逃されたり気づかれなかったりするという人達のせいで多くの自閉症やADHD、知的障害の人への偏見が広がっています。

 

 この人達は精神疾患と生まれつきの障害の区別が出来ないのに、精神症状を見る度、生まれつきの障害が見逃されているのに自分が気付いた、と思ってしまいます。そして、精神疾患で起こってくる症状をみんな生まれつきの障害に結びつけていき、自分は生まれつきの障害に詳しくなったとさらに思い込みが強くなるのです。そして、ますます精神疾患と生まれつきの障害の違いが分からなくなり、鑑別するのが難しいとか、合併しているとか、発達障害がベースにあるなどと言い出します。また、こういう人達の言うことが一般にも広まってしまい、成長してから生じた症状や問題なのに、発達障害じゃないかと自分で言い出したり、人にレッテルを貼ったりするようになってしまいました。

 

 間違った情報が伝言ゲームのように伝わっていき、日本中で思春期や大人になってから自閉症と言われたとかADHDと言われたという人で溢れてきて、精神科のことをよく知らない人は、こういう人のことを自閉症というのか、とか、こういう人のことをADHDというのかと間違った理解や学習をしてしまいます。

 

 生まれつきの障害とは幼児の頃から生じて誰の目にも明らかなものだったはずです。それがこの気づかれないとか見逃されるとかいう人達のために、そういった本来の自閉症やADHDの人はむしろ少数派になってしまいました。臨床においても、そういう本当の自閉症やADHDの人は今まで通り少なく、精神疾患の症状が自閉症やADHD、知的障害などと誤診された人であふれています。

 

 生まれつきの深刻な障害の患者さんの大部分が、思春期や成人してから診断された人であるということは、ほとんどが誤診ということであり、いかに日本の精神科が問題で異常であるかの証拠です。

 

 さて、こういう発達障害が気付かれずに正常だと思われて成長できると思っている精神科医や心理士達は、知的障害さえも気付かれずに成長出来ると思っています。信じられますか?知的障害とは以前は精神遅滞と呼ばれて、精神的にも知的にも成長が遅れていく障害です。

 

 一般常識としても、知的障害とは言葉も運動も社会性も学習面でも幼い時から全般的に遅れるわけで、同年齢の子供と一緒に過ごすことが出来ず、小学校入学時から特別支援学級や特別支援学校で過ごすのがほとんどです。中には軽度の知的障害の子供が小学校低学年くらいは普通学級で過ごすけれど、周囲との差が開いてくると、途中から特別支援のほうへ移ったりすることも稀にあります。

 

 ところが問題なのは、知的障害ではなかった人がなんらかの精神症状を生じてきて、精神科にかかるようになった時に、精神疾患によって理解力や判断力、記憶力などが本来より低下していると考えられるのに、知能検査を行ってしまうのです。そして、得られた知能指数が生まれつきの知的能力と捉えられて知的障害と診断されているケースがたくさんあるのです。

 

 特に発達障害が見逃されるものだという人達は、知能検査の結果が生まれつきの発達の偏りがわかる検査だと思い込んでいますから、成長してから症状を生じた精神疾患なのに、発達障害が見逃されていたかもしれないなどと言ってすぐに知能検査をやってしまいます。

 

 そして、得られた知能指数が70前後だと知的障害だなどと言い出すのです。こういう人達はその数値だけをみて子供の頃から特別支援が必要な障害と一緒にしてしまうのです。

 

 こういう人達は、統合失調症、双極性障害、うつ病などの人達に知能検査を行うと知能指数は病前よりどれくらい低下するかなどの知識はありません。精神疾患であればそんな検査をやっても、病気になる前より結果は悪くなるはずという、素人でもわかりそうなことがわからないようです。

 

 この病前の知能のレベルから発症後に低下したものは、専門的に言えば認知機能障害と言うのですが、専門知識がない精神科医が発達障害を見逃しているなどと言っている人達は、こういう基本的な専門知識がないのです。

 

 実際には、進学校に通っていた人、大学を卒業している人、一般企業で働いていた人、公務員だった人、自衛隊にいた人、自営業をしている人、結婚して子育てしていた人、ありとあらゆる、明らかに知的障害とは無縁な人達が、精神疾患になってからの知能検査の結果だけで知的障害や精神遅滞と診断されているのを見かけます。

 

 特に統合失調症の人は病前より知能指数が大きく低下します。理解力や言語の能力は低下し、抽象的な思考も難しくなりますので会話した印象も知的能力が低下しているように見えることも多いです。しかし、それは生まれながらの知的障害ではありません。それなのに統合失調症の人が統合失調症と診断されずに、知能検査をされて知的障害と診断されていることがよくあります。統合失調症の人に知能検査を行なって知能指数が低下していたら知的障害、などと言い出したら、多くの統合失調症の人は知的障害になってしまいます。

 

 統合失調症の基本症状は陽性症状、陰性症状、認知機能障害なので、基本症状である認知機能障害を知的障害にしてしまったら、統合失調症の人はみんな知的障害になってしまいます。

 

 統合失調症は前駆期と言われる前段階から認知機能障害が生じ得ます。知能検査をすればすでに悪化している可能性があります。10代頃から色々な症状や変化が出てきて統合失調症の好発年齢であるのに、知能検査をされて知的障害だとか自閉スペクトラム症だとかADHDだとか言われてしまう人がびっくりするほど増えています。中学生や高校生で受診しても、たくさんの子供が知能検査で知的障害だとか自閉症だとかADHDなどと言われています。

 

 双極性障害も認知機能は低下します。気分が高めで頭の中が忙しく、注意散漫な時に知能検査が行われていたり、うつで思考が抑制されている時に知能検査が行われていたり、そんな出鱈目なことをされて知的障害だとかADHDなどと診断されている人もたくさんいます。

 

 うつ病でも同じです。うつの症状がよくなっても、頭がもとのようには回らない感じで、元の仕事や家事が同じように出来ないのはよくあることです。これもうつ病の認知機能障害です。しかし、こういう状態の人に知能検査をして知的障害だとかADHDなどと言われている人もたくさんいます。

 

 精神科の患者さんが、理解力が低下しているのはごく当たり前のことで、生活歴をみると普通に学校を卒業していたり、就職していたりすれば、精神疾患に伴って理解力が低下したのだろうと考えるのは自然なことなのですが、なぜか、ここで知的障害だと思ってしまうようです。

 

 どれくらいおかしなことをしているのかこの人達はわかっていないのでしょう。つまり、同じ状態の患者さんがいたとして、専門知識のある人が診れば知能検査なんてやらないので統合失調症や双極性障害、うつ病などと診断しますが、専門知識のない人が診れば知能検査をして知的障害と診断してしまう。治療も予後も全く変わってしまいます。当たり外れのくじみたいです。こんなことでいいはずがありません。

 

 こういうことをしている人達の考え方が理解し難いのですが、結局のところ、生まれつきの障害が見逃されることがあるとか環境が保護的で恵まれていたとか、全く具体性もなく、現実的ではない理由をつけて解釈しているようです。

 

 こういう人に普通高校や大学を卒業しているし、一般の就職ができていたので知的障害ではないですよね?と言ったら不機嫌になったり、偏差値が低いところならわからないとか理解しがたい言い訳をされたりして本当に話しが通ず嫌な記憶しかありません。

 

 とにかく、生まれつきの障害が見逃されるとか気づかれなかったなどという考えが根本的におかしいのです。障害が明らかだったけど、受診して診断される機会がなかったというのなら理解できますが、そういうのは数十年前ならあるかもしれませんが、今となっては滅多にみかけない珍しいケースだと思います。

 

 何より本当の知的障害の子供を育てている家族の気持ちを考えてほしいと思います。小さい頃からどれだけ大変で精神的にもつらい思いをしているか。一生懸命世話をしても知的障害は治るものではありません。悩みはとても大きいのです。その一方で、なんの支援も受けずに普通学級で卒業したり、就職もしていた人が、たった1回の意味のない検査で同じ障害と診断されてしまうのです。明らかに精神疾患で自分の子供とはかけ離れた症状や行動がみられるのに、同じ障害が診断されてしまうのです。あまりにも理不尽だと思いませんか。こんなことは許されることではないと思います。