みなさまこんばんは![]()
あいかわらず日本の精神科はひどいです。状況は日々悪化しています。一番の問題は発達障害が見逃されたり気づかれないと思っている人達です。毎日こういう人達に間違った診断をされた患者さんや御家族に対応しなければいけません。また、こういう人達がひろめている間違った情報に惑わされて自分や家族が発達障害ではないかと勘違いしてしまった患者さんや御家族に説明しないといけません。いくら説明しても思い込みが強く、なかなか理解してもらえず、お互いに不快な思いをすることもよくあります。小さい頃や小学校時代に障害児ではなかったことを確認しても納得しなかったり、そもそも生まれつき幼児期から起こる障害であることを説明してもそんなことも知らなかったりします。なんでこんなことをしないといけないのでしょうか?
最近は、この発達障害が見逃されているとか気づかれないとか言っている人達が、しきりに精神疾患との合併などとさわいでいます。これも大部分は間違いです。自閉症や ADHD、知的障害の人に精神疾患が続発することは確かにあります。しかし、臨床でそのような人をみる機会はとても少ないです。
発達障害が見逃されたり気づかれないと思っている人達は、精神疾患の基本的な症状を発達障害と誤解しているだけです。精神医学の基礎知識がなく、研修医レベルで学んでおくレベル、あるいはもう素人同然の考え方をしています。いえ、むしろ素人の人のほうが常識的な考えができます。
思春期や大人になるまで障害と疑われなかった人が、だんだん不調になって、今まで出来ていたことが出来なくなってくる。あるいはそれまでにはなかったような発言や行動がみられるようになる。こういうのは精神疾患です。そして、精神疾患は前駆期とか初期と言われる段階では明確に診断基準を満たさず、症状が現れたり消えたり変化しながら進行していきます。自然と軽快して年単位で普通に暮らしていることだってあります。
こういう段階で精神科などで相談し、発達障害が見逃されるとか思っている人にあたると、すぐに発達障害ではないかと言われてしまいます。この人達にとっては生まれつき幼児期から起こってくる障害であるという最も基本的なことはどうでもよいらしく、自分がみたその場で、記憶力や集中力、注意力がない、落ち着かない、衝動性がある、空気が読みにくい、ということを聞き出せばすぐに発達障害ではないかと考えます。しかし、ほとんどの場合は子供の頃のことを聞いても、普通に過ごして特に指摘も受けなかったと答えるので、辻褄があわなくなるのでしょう。知能が正常だった、高機能だからそれをカバーしていた、それで親にも先生にも誰にも気づかれなかった、という無茶苦茶な考え方をします。そんな考え方をすれば全ての精神疾患は発達障害になってしまいます。信じられないかもしれませんが、私が今まで実際に会ってきた精神科医、心理士、先生、行政、法律家など様々な職種で発達障害が見逃されていると思っている人は全員こんな人ばかりでした。
結局、せっかく相談に行っても、こういう人達にあたってしまうと、間違った方向に誘導されてしまいます。常識的に精神疾患を疑う状態なのに、全く関係のない生まれつきの障害であるかのような情報をもらってしまいます。本人や家族も最初はおかしいと思うのですが、意味のない知能検査を間違って解釈した間違った結果をみせられてだんだん思い込まされます。ほとんど洗脳みたいなものです。
この人達は精神症状の多くを見逃しています。精神科にとって特に重要である幻聴などの幻覚でさえ見逃してしまいます。躁の症状すら見逃しています。精神疾患を自閉症やADHD、知的障害と診断しても精神疾患はそんなこととは関係なく進行していきます。そして、こういう人達にとってもさすがに見逃せないくらいに幻覚や妄想、躁の症状などで問題を起こすようなると、発達障害に精神疾患が合併しているなどと言い出すのです。もし、精神医学の基本的なところが多少なりともわかっていて謙虚な気持ちがある人であれば、精神疾患の前駆期や初期の症状を自分が間違って発達障害と思ってしまったんだなと反省し、診断をやり直してきちんと勉強をしなおすべきです。ところがそのような人はほとんどみかけません。
こういう人達には、精神疾患によくある、記憶力の低下、集中力の低下、理解力が低下する、衝動性、落ち着かない、空気が読めない、相手のことを考えずに一方的になる、といったことは全て自閉症や ADHD や知的障害にみえてしまうようなので、その間違った診断は修正できずに、二次障害で統合失調症様の症状がみられているとか統合失調症や双極性障害が合併しているなどと言います。全く順序が逆であべこべです。こういった人達が日本中で精神疾患の臨床や支援を続けているのかと思うと本当に恐ろしくなります。
また、統合失調症と診断されて治療していた人でも、治療がうまくいくと幻覚や妄想などの異常な体験がほとんどなくなることがあります。しかし、発症前と比べれば社会で生きていくのに必要な能力が低下しています。こういったことは社会機能と言われます。双極性障害やうつ病などでも社会機能は低下します。精神医学では最近はこういった社会機能が注目され、多くの研究がこの社会機能についてやどうすれば社会機能を改善できるのか、あるいは低下を少なくすることが出来るかといったことについてなされています。こういう人達はこういったことを気にしていないようですし、精神疾患で能力が低下するということ自体想像もつかないようです。こういった人達はこの精神疾患発症後、いくら症状が改善したとしても能力が低下してしまった状態をみて、実は発達障害だったのではないかと言い出すのです。自分がその人の症状が悪い時のことをみたわけでもないのに、以前治療していた主治医やその周囲の支援者達は、生まれつきの障害を見逃して誤診していた、などとい言い出すのです。あるいはベースは発達障害で、そこに精神疾患が合併したのだなどと言い出します。
この人達の言っていることは医学的でもなんでもなく、あらゆる精神疾患の患者さんを自閉症と ADHD と知的障害に二次障害や適応障害として精神症状が現れたとか精神症状が合併したとかいうストーリーに持ち込もうとしているかのようです。
合併の話しを見聞きしても、自閉症、知的障害、ADHD が何歳の時に診断されたか確認しましょう。自閉症や知的障害、ADHD が小さい時に診断されたものでない場合は、精神疾患の症状を間違って診断されている可能性が高いので参考にすべきではありません。多くの場合は、精神疾患と診断された後につけられた発達障害であって、精神疾患の症状であるのは明らかです。
もうこんなことはやめてほしいです。いくら知名度があろうと、ベテランであろうと、発達障害が見逃されているとか気づかれないなどと言っている人達を信用してはいけません。本当に困っています![]()