ライトの設計:スイッチ | プロライトジャパンのブログ

プロライトジャパンのブログ

懐中電灯専門のwebshop を初めて18年。LED 光と視覚フラッシュライト関連の話。
取り扱いフラッシュライト選び方
体調不良でご迷惑をかけたお詫び。親族複数名を亡くした事。

ライトのスイッチは信頼性の為にも重要なパーツです。

 

下の写真の3個のスイッチ、Made in the USAのスイッチは写真左です。

 

Made in the USAのライトElzetta のZ-Lineは文字通り世界一丈夫なライトのです。

 

2021年以降品質が少しずつ下がってきました。以前書いたアメリカ合衆国の製品品質の低下&技術力低下の一例でしょう。人柄が良いCEO, Daveさんが退任し、次のCEOになって問題が顕在化しました。

 

今のCEOは中国でも旧型の中国製ライトG-Lineを高値で売りました。現在激安で販売中です。販売店への卸売価格以下です。当初US$59.95,US$39.95でした。

 

2014年に発表されたElzettaのライトは高度90 mのヘリコプターから滑走路に落としても壊れない/点灯するライトで期待していました。

 

多少抵抗が大きめのElzetta製スイッチの最大電流は3Aです。

 

2011 年末に販売開始以降、Elzettaの定義での故障は起きていません。

AlphaのスイッチのLowモードのフリッカーは初期にありました。

 

数年前に改善要望を出したのがスイッチでした。

 

このスプリングに金メッキして欲しいと要望を出していました。

スイッチ1個がUS$41.00(¥5,500)します。High - Low2モードの機能付きはUS$56.00もします。

 

一個US$41.00〜ならスプリング表面の酸化防止金メッキが欲しいです。

 

 

 

中央と左が中国製スイッチです。2個共、Weltool社製です。

 

リンクのページの上から2,3,6,7,8,14,15,16,17,18,番目の9モデルがセンターの新型 10A スイッチを使っています。

Note:2022年モデル中単3電用のT1Peo, M1UV以外全部

Note2: コロナ禍中11 モデルを出せたのが凄いです。

 

余談:高めの価格に見えると思います。例えば W4Proは凄く高く感じると思います。W4Proは3,400 m先まで届くライトです。0の数の間違いでなく3.4km先です。US$1,795.00のPolarion PH50Dの1.2kmの2.8倍の距離です。W4Proの光度(cd) は8倍 価格は1/3.6、Polarionの初期不良率は2-3%です。性能からは安価と言えます。

 

2022年に10A対応にしたスイッチです。

 

10A の電流は家庭用100Vならば1,000Wの電力です。

 

しかし左のスイッチとスプリングの太さの違いは大きく無いです。

 

 

 

クローズアップです。

 

金メッキしたスプリングが2重になっています。

 

何故でしょうか?

 

電気抵抗を低くし10Aの大電流対応する事。

 

次にバッテリー交換時にスイッチを締込む時に必要な力を増やさない為です。

 

ライトでバッテリー交換時にテールキャップを閉める時、ネジ山に噛ませるのに苦労したことは無いでしょうか?

 

もし、MAGLITE の単1電池モデル/単2電池モデル, MAGLITE 2D, MAGLITE 3D, etc のテールキャップを外してから締めた事が有れば直ぐに理解できると思います。

 

写真左、中国のWeltooi 社製スイッチは、スプリングが長いスプリングと短いスプリングがテールキャップの取付けを楽にしながら、2重にする事で10アンペアの大電流対応しています。

 

取り付け初めは、長い一本だけなので反力が1/2です。

 

締め込んで押し付ける力が不要になると、2番目の短いスプリングも接触します。

 

締め込めば、断面積が2倍になり、電気抵抗がスプリング1本の時の1/2になります。

 

プラス、金(Au)メッキの厚みが通常より厚くなっています。

 

金(Au)の電気伝導率は金属素材中、銀(Ag), 銅(Cu)に次いで3位と良導体です。

 

この金メッキは酸化防止と電気抵抗を減らす2種類の機能を持っています。

 

アメリカ合衆国の設計ならば単純に断面積が大きい太いスプリング1本にすると推測します。

 

単純な方が組み付け時の失敗が起きないと考えるのがMade in the USA流です。

 

現実に金属の塊を押し付ける設計にしよう、と言われた事が有ります。

 

PS. (1月13日17:30)

 

下右はWeltool の単3電池1本、リチウムイオン充電池14500、または2本用ライトT1Pro,と365nm のUV-A(近紫外線)ライト M1UVのスイッチです。

 

この小型スイッチも手抜きをしていません。

 

電流に対して太め電気抵抗が少ないスプリングを使用し、金メッキもしてあります。

 

ライトの実物は

 

ヘッドの直径20mm, ボディーの直径 18 mm, 長さ 97 mm です。

iPhone 14の長辺が 146.7 mm です。

 

単3電池1本用なのでボディーは最も軽量で、アルミ合金製ボディーの肉厚も薄い方です。

しかし、ボディー強度はしっかりテスト後に量産されています。

 

自動車でT1Pro に乗るテストのムービーです。

 

価格と事情に軽く触れます。

 

Elzetta のクリックスイッチはUS$41.00,-US$56.00 2021年末時点の日本国内希望小売価格は¥10.340(税込)¥14,080(税込)です。

 

この円安時に発注&支払いしたWeltool 製 T1Proは US$54.00です。日本国内価格は¥7,780

Elzettaのスイッチ以下の価格です。

 

今は100均でも懐中電灯が買えますが、高い信頼性で高性能&長時間点灯可能な懐中電灯を持って頂きたいからです。

 

知人が阪神淡路大震災の時にMINI MAGLITE AA,で助買った事。

3.11 の時に、約200-300本以上の懐中電灯を送ったことの記憶が鮮明です。

 

災害時のことを考え、世界で最も入手が楽な単3電池で、ベストのライトが必要と信じています>

 

それはアメリカ合衆国でThe Best と言われているSureFire社が単3電池専用のライト"ICON" を一般市民向けに販売しようとした事でも裏付けられています。ICON関連の写真は下に載せます。

 

このT1Proは私なりに非常時のことを伝えて、少し開発に関わったライトです。

次回以降、公開可能なことは書こうと思っています。

 

開発内容は書けませんがSureFire 社 ICON の経験から、多少高価格でも高信頼性、高性能なライトの必要性を感じています。

 

下の写真はごく一部です。これだけ技術を投入しても商売上は失敗で、短命でした。

非常に残念です。