今日はお彼岸の入りですね。


お墓参りに皆さんは行かれるのでしょうか?


私もお彼岸、お盆等は毎回手を合わせに行くのですが、


今回は行けないので残念であり、申し訳ないです…。


両親は私と奥さんの仕事の状況を知っているから


「今回は私達だけで行くから大丈夫だよ。」と言ってくれたけど…。


小さい頃は正直意味もわからず、手を合わせていたし、


物心ついた時には正直面倒だと思ってさえいたのに、


今は手を合わせたい気持ちの方が強い。


理由は単純で、奥さんと出会ったから。


なぜ、それで?と思うかもしれないが…。


うちの母親は15年位、父方の祖母の介護をしていた。


正直、祖母が元気な時は仲が良い嫁姑では決してなかった。


それでも、食事の世話から、下の世話からすべてを母親がしていた。


自分もたまに手伝ったり、何か出来る事はないかとは思ったが、


ストレスのたまった母からすれば余計に邪魔になるような事しかできなかった、していなかったように思う。


だから、「学校生活を楽しみなさい」とよく言われ、


小、中、高、大といずれにしろ、勉強し、日々の生活を自分なりに謳歌するしかなく、


正直母親に申し訳ない気持ちで一杯だった.。


「何でこんなに母親は苦しまないといけないんだろう。」とか、


「自分だけ楽しい思いをして良いのか」とか


正直、祖母や手伝いもしない親族を憎んだりもした。


父は心臓病を患ってから、体に負担がかかる様な事はできなかったし、


不器用で、思ってはいてもいたわりの言葉をかける様なタイプではなかった。


母がそんな父の不器用な態度にストレスを感じ、衝突したりする時もあり、


子供ながらに自分が両親のパイプ役になることも多々あった。


又、自分も反抗期だったし、衝突することもあった。


こんな状況だったから、中、高は登校拒否まではいかなかったが、


何だか、人生の行く末を見せつけられた気がして、


自分の殻に閉じこもり易い性格になっていた。


その頃は音楽しか信じてなかった気がする。


大学生の時は大学、バイト先等に気の置ける友人達に救われた。


そして、洋服にも救われた。


家族間では時には衝突することもあったが仲が悪いってことは全くなかった。


それが、救いではあった。


年月が過ぎ、社会人になり、一年たったくらいで祖母が亡くなった。


ショートステイ先の施設で消灯前に眠るように亡くなっていたそうだ。


90歳をこえていたから、大往生だった。


ただ晩年は今思うと歯がゆく、苦しかっただろう…。


長い年月、母親も本当に大変だった…。お疲れ様としか言えなかったけど…。

そして、翌年に奥さんと出会う。


今まで付き合った女性とは違う感じだったし、


結婚しようとは付き合った時から思っていた。


いつの頃かは忘れてしまったが、


家に連れていった時にお墓参りの話になり、かなり驚いた。


奥さんは実は祖母方の存在も知らない位、すごく遠い親戚だったという事。


自分は何の宗教も信じていないし(母はクリスチャンだけど)、


霊的なことも信じるタイプではないけど、


母と二人で「今までの苦労をかけた分、ばあちゃんが素敵の奥さんを連れてきてくれたのかね…。」


という話になった。


偶然なのか、必然なのかはわからないけど勝手に自分は必然だと思っている。


その方が両親も報われるし、自分が過去に祖母を憎んだ事を忘れてしまう位素晴らしい事だし。


勝手だと思われるかもしれないが、


その方が沢山の人が幸せになる気がするからずっとそう思い続けようと思う。


生を受けて幸せを感じるという事は両親、祖父母…ご先祖様がいてのことだし、


最愛の人が生を受けたっていう事も同じ訳であって…。


だから、ご先祖様に心から手を合わせられる。感謝。


合わせられるように幸せに生きる。それも大切だと思う。


私も奥さんの家族ともすごく仲良しだし、


奥さんも両親にすごくかわいがられてて、嬉しい。


結婚は家と家との結婚の部分もあるから…。


祖母が病気になって大変なことも多かったけど、


その事があったから、家族も団結力があって仲良しだし、


両親からすれば、祖母の事があったから、


僕ら夫婦をあまり型に余計にはめたくないみたいで…。


今思うと、「当たり前」や「普通」のことの素晴らしさを再認識させてくれたのかもしれないとも強く思う。


沢山の事を学ばせてもらえた気がする。


どんなに辛い時でも、何か救いがあるとそのために頑張れる。


母親、父親との関係の中でよくそれはわかった。


又、今後は奥さんともそう思う瞬間がもっと増えていくんだろう…。


昔の自分ならこんな考え方はできなかったと思う。


「人は変われる。」


心の持ちようでいくらでも…。


暗かった自分が接客業をしているなんて考えられないし…。


昔は自分の価値観、つまり正解が一つしかなかったけど、


物事は多面的で、視点で物事が違って見える。


昔、奥さんに「あなたのこだわりは何?」って聞かれた時に


「こだわりを持ちすぎない事がこだわり」と答えた。(多少はあるのかもしれないが)


今でもそれは変わらない。その方が自分の可能性を狭めなくて良いし、


何より、生きてて楽しい。


それがないと他人を幸せになんてできないと思うから。


でも、昔から陰のある人が好きだから、明るすぎるだけの人間にはあまり魅力を感じない。


だから、適度な暗さの中で明かりの大切さを感じさせられる人間になれればと思っている。


自分を変えてくれた人や音楽や洋服にも何かしらのかたちで恩返しをしたいし…。


洋服はありきたりの日常に彩りをくれる。


そこだけに執着して自分磨きを怠ると、着られてしまう時もある諸刃の剣…。


でも、ささやかな日常に彩りを与えたり、嫌な気分も吹き飛んで、


幸せな気分になってもらえるなら、そんなに嬉しい事はない。


だから、この職業を選んだ。


まだまだ、努力しないといけない事ばかりだけど、


出来るだけ沢山の人を幸せにできればいいなと思う。


色んな事を気づかせてくれたばあちゃんありがとう。


家族、関わってくれている方々にもありがとう。


ここで、手を合わせます。


ありがとう。



非常にプライベートな文章にお付き合いいただきありがとうございました。

感謝です。


たまにはこういうのも良いんじゃないでしょうか?(笑)


fizz BEYOND Takahashi